広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

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股関節脱臼 [院長ブログ]

●クッキー パピヨン 1歳 ♀
突然のことでした。朝方「キャン!」と鳴き声が聞こえました、気がついたら、片足を上げている状態だったと聞きます。

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外れた側の寛骨臼がよく分かります。

異常を察した飼い主さんは、急ぎ病院へ直行しました。身体検査では、かなりの痛みを感じます。股関節の解剖学的異常を感じ、早速レントゲン撮影に進みました。右の写真の通り患肢は後方へ脱臼していたのでした。

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●整復
通常、このように直に連れて来ていただいたケースでは、まず非観血的(関節を開けない)処置を試みます。麻酔をかけて脱臼した股関節を牽引と回転を加えて整復を行いました。ここで、第一段階終了ですが、次に関節内に入り込んだ血液を押しだすために、何度か関節を動かします。そして、再脱臼を防ぐために関節を僅かに内側に回転させながら屈曲させたままテーピングを施して終了です。「よかった、良かった!」

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●テーピング
約2週間安静を保ちます。獣医師の指示はほぼ無視され、はしゃぎすぎました。よって、固定は30%程ずれ、テーピングはボロボロです。(笑)

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●鎮静処置
本日、テーピングを取るために鎮静処置を行いました。レントゲン写真で確認を行い、股関節が正常位置にキープされていることが分かり、煩わしかったテーピングを晴れて外すことができました。これから約2週間ほどは、引き綱をつけのリハビリが必要です。今度は、指示を守ってくれるのでしょうか?「あまりはしゃぎすぎると、また外れるョ〜!」


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中学生、来訪。 [実習生感想文]

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●職場体験
職場体験の為、当院で数日を過ごした彼らが、感想文を持参してお礼に来てくれました。

●感想文抜粋

その1
最初は、何を話せば良いかわからず、返事も大きな声でできませんでしたが、最後には、患者さん達と気軽に話をすることができるようになったし、相手の気持ちを考えて話をする余裕を持つことができました。
職場体験で学んだ「相手の気持ちを考える」ということを胸にこれからの将来に生かして頑張りたいと思いました。

その2
今回の体験で僕は「気を利かせて行動する」ということを学びました。職場での朝礼でもありましたが、みんなで連携することは気持ちの良い職場作りの第一歩だと思います。また、「命」について考える場面もあり、動物の状況、飼い主さんの気持ちを考えて相談、決断はとても強い心と優しい心のいることだと思いました。

その3
皆さんが動物への声かけや、飼い主さんへの声かけをしているのをみて、病院に来られた方に気を配っていらっしゃることがわかりました。動物の命を大切にするにはどうすればいいのか具体的にわかりました。

皆さ〜ん。お疲れ様でした。また、遊びにおいで〜!


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猫の尿閉 [院長ブログ]

●尿閉
尿閉(にょうへい)とは、尿が何らかの原因により閉鎖され排出が障害される状態を言います。当然、尿が出なくなりますので、2次的に尿毒症が発生し生死にかかわる状態になり、緊急疾患の一つです。多くが雄猫における膀胱結石により、その結石が狭い尿道に詰まることにより上記の症状が発生します。

●チョコ 3歳♂ スコテッシュフォールド

この度のケースは、結石ではなく血餅(血の塊)の閉塞により発生したものと思われます。
超音波で膀胱を観察すると、大きな何者かの塊が膀胱内にしっかりと位置しています。膀胱結石の場合には、食事療法で溶解することも可能ですが、血餅のケースでは、膀胱を切開して取り出さない限り治癒しません。

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●手術
尿毒症の緊急事態を回避し、正常に復した3日後に手術を行いました。超音波の診断とおり、切開した膀胱内から大きな血餅が飛び出しました。

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●細胞診
手術中に切開した膀胱の粘膜を観察すると、一部に怪しい炎症部位があり、急ぎ細胞を調べることにしました。すると、その細胞に悪性所見!・・・・しばらく病変を根こそぎ取るべきかどうか悩みましたが年齢的に癌発生年齢ではないこと、突発のできごとであることから、その怪しい病変を残したまま閉復し、病理検査を待つことにしました。

●術後
術後から尿がスムースに出るようになり、3日後に退院しました。数日後の病理検査では、怪しい部分は、慢性炎症所見と診断されました。診断医曰く「膀胱の粘膜上皮は、炎症により悪性所見を示すことがあります。また、尿沈渣での細胞診では、浸透圧で細胞の変性などが加わり、悪性/良性の鑑別が難しくなります。」とのことでした。今思えば、慎重な判断が効を奏したと思いました。


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