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早く歯石を除去しよう! [院長ブログ]
11月14日の産経新聞「健康ライフ」の医師、歯科医師によると、「歯周病が糖尿病患者の血糖管理を難しくしていることが確認され、歯周病で歯肉組織中に産生された炎症性性サイトカインが全身に回るとインスリン抵抗性が高まり、血糖値が下がりにくくなる。歯周病を良くするためには、歯垢(プラーク)を除去し、歯石形成を防ぐことである。」とありました。
歯周病の原因菌である嫌気性菌は歯周ポケットが生育環境に適し、繁殖が進むとマクロファージが処理しようとして炎症反応が誘発され、炎症性サイトカインが放出されます。
動物は食事の変化により、人間では考えられない程の歯石が形成されてしまいます。そして、ほとんどの者が歯周病をともなっています、歯周病により炎症反応が誘導され、上記のサイトカインが放出され、全身性に影響が及びます。
以下に1例を紹介します。
●プードル6歳 ♂
ご覧の通り、人間の範疇を超えて恐ろしいほどにプラークと歯石が堆積しています。
●抜歯
飼い主さんから、食事を戴くときに食べにくそうにするとの訴えがありましたが、歯石が歯根に向かって侵入し、歯周靭帯を破壊し、歯茎に付着している部分が少なくなり、支持を失います。
●処置後
歯石、プラークを除去し、とても奇麗になりました。良く見ると(上の後ろ側の歯の歯肉の赤い部分)分りますが、歯の根が一部露出しているところがあります。これは、歯肉部における炎症により歯肉が萎縮後退してしまい、上記の歯肉ポケットへの歯石侵入と合わせて、歯が抜ける原因となります。
炎症は、いわゆる体に発生する「火災」です。その火を大きく広げないためにも、口腔内管理、主には歯石の予防、除去はとても大切な位置を占めます。また、合わせて適切な食事で歯石の再付着を予防し、適度な運動により体内脂肪を防ぐことが「小火」から「火事」への移行を防ぎます。
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猫の慢性口内炎「江田島タマ」 [院長ブログ]
●猫の口内炎の原因は不明。病原体および免疫機序が関与していると言われています。もっとも可能性の高い原因は、口腔内に堆積した歯垢に対する生体の過剰反応であるといわれます。基本治療は、全抜歯です。最初の段階では、犬歯を残すことがありますが、今回は炎症が著しいので全部の歯を抜く計画としました。炎症があるといっても、根がしっかりしている歯を抜歯することは、それは、それは、とても大変なことです。また、歯根が少しでも残っていると、炎症が治まらないので、歯肉をはがして、骨を削り、その後に縫合を施す過程が必要です。今回のケースは歯肉炎と口頬炎を伴っていました。
●抜歯後
全抜歯後に縫合しました。口腔内は血行が盛んなため、治りは早く、数日で通常とおりの食生活に回復できます。このタマちゃんは、翌日から変わりなく御飯を普通に食べていました!吃驚。
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口蓋裂(口の中の穴)の修復。 [院長ブログ]
●口蓋裂とは?
口の中に穴があいている状態を言います。
多いことではありませんが、先天的、事故などによる後天的原因があります。穴が開いているために食べ物がその穴から鼻に入ったり、時には肺に入りはすくなるために、穴をふさぐ必要があります。
●術式
口蓋動脈を傷つけない様に注意を払い、両サイドに切開を加え、穴を新鮮創にして、鼻粘膜、口腔粘膜と別々に縫合します。通常、縫合糸は4週間ほどで糸はとれます。
口は血行が盛んなので、切開でかなりの出血が見られますが、逆にその血行の良さが傷の治りを早めます。
●今回、先天的ケースでしたが、安心した麻酔を行なうために、しばらく発育を待ってから手術を行いました。術後、しばらく柔らかい物(肉)を与えますが、翌日から、痛みを感じない程食欲旺盛で安心しました。皆様に感謝です。







