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根尖部膿瘍とエナメル修復 [院長ブログ]
●1ヶ月月前に他にて歯石を除去されたそうです。最近「顔が腫れてきた・・・・。」と来院されました。上の第4前臼歯の歯石を除去すると、歯髄(歯の根)が変色して露出しているのを発見しました。
●レントゲン撮影
念のために、レントゲン写真を撮影しました。第4前臼歯の近心側の根元に黒く見えるのが膿瘍です。
●抜歯
飼い主さんと相談して原因の歯を抜歯することにしました。第4前臼歯は、根が3本あるので抜歯が難しいのですが、まず、メスで靱帯を切断し、歯肉を綺麗に剥がして、ドリルで歯の周囲を削って、真ん中で切断してから除去します。
●抜歯後
目の上の腫れていた部分から確認の為にステンレスバーを挿入しました。レントゲン写真と合わせて膿瘍の発生していた部分が一致していることが確認できます。
●エナメル修復
反対側の同じ第4前臼歯も露髄はありませんでしたが、エナメルの欠損が生じていました。洗浄、消毒後、修復を行いました。人間の歯科でもおなじみの光で硬化する樹脂を装着します。
●修復後
エナメルとは、歯の外側を覆う固い組織です。
その剥がれ落ちていたエナメルの修復が完了したところです。周辺のエナメルとそれほど色の違いがないと思いますが、どうですか?
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元から断たなきゃ駄目! [院長ブログ]
●オーマイガット!潰瘍も発見!!
ダックスフンド 11歳 ゲット
最近の当院のホームページをご覧になって、同じような状態と感じ、急いで来院されました。歯石が大量に堆積した影響で、その歯石の上にかぶさる唇に潰瘍ができてしまいました。かなり痛みのある日々が続いていたと思います。また、大量の歯石が堆積し、まるで山口県の秋吉台の鍾乳洞の様です。
●エナメル欠損と残根
歯の表面は固いものを砕く為にエナメル質で覆われています。そのエナメル質の一部が無くなり、その下の象牙質が溶けて折れてしまい、根だけが残ってしまいました。歯の根が残ると炎症が治まらないので、高速バーで周囲を削って摘出します。
●残根
抜歯した数本の歯と3本の骨に残っていた歯の根です。
●歯周靭帯喪失
歯肉の深さを測定します。検査の手順に含まれる一つですが、ご覧のとおり検査プローブがどこまでも入ります。
鼻の腹側の骨は薄く、歯の根の部分で感染がおこると鼻と歯がつながり、くしゃみが持続的に発生します。ここまで歯石がひどいケースでは、多くの歯の根に歯石が侵入して歯と歯肉を繋ぐ靭帯を破壊してしまいます。
●ただよう香り
ここまで、酷いと臭いも相当なものです。歯石除去後は、当然匂いも無くなり、どぶの香りからサフランの香りに変わりました。飼主さん共々さわやかな日々を送れることはとても素晴らしいことだと思います。次に大切なことは、この状態を維持することです。食事の変更と歯磨きは必須事項になります。
ということで、数m離れていても漂う香りは、歯石と口内炎が原因でした。飼主さんには、匂いの元に早く気付き、その匂いの元を断たないと解決しないことをもっと早くから気付くべきであったと後悔されていました。今日から頬ずりも気持ち良くできると思います・・・・。
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歯石除去の手順 [院長ブログ]
●歯科ユニット
最近、歯科ユニットを新しくしました。右がユニットで、低速ドリル1本、高速ドリル2本、吸引機1本、洗浄機1本、超音波スケーラー1本を備えています。左の大きな装置がコンプレッサーです。
●観察
まず、全体を観察し、次に一本一本の歯の状態を検査していきます。歯肉の状態、歯肉ポケットの深さ、エナメルの状態、歯の本数、歯のぐらつきなどを詳細に記録します。
●検査
歯肉のポケットの深さを計っているところですが、このケースでは歯肉部分に出来物を発見しました。検査終了後、切除しました。
●歯石除去
詳細な検査後に、超音波スケーラーを用いて歯石の除去をおこないます。次に、歯肉ポケットに残る歯石を別のスケーラーを用いて歯石を取り除きます。
●レントゲン撮影
異常を感じた歯は、レントゲン撮影を行います。根が残り継続した炎症がある場合、乳歯が埋まりこんで炎症を内部で生じている場合、根の先端が化膿している場合、腫瘍の周囲組織浸潤を見る場合などに使用します。ここで、必要であれば抜歯、そして必要であればフラップを形成して処置します。
●染色
皆さんも歯医者さんで行うように、歯垢の取り残しが無いかを検査します。残っている部分があれば、再度超音波スケーらを使ってクリーニングを行います。
●研磨
みがき粉を付けて歯の表と裏をまんべんなく磨き上げます。
●洗浄
最後に蒸留水で洗浄して、ポケットの深い部分に薬剤を注入して終わりです。全ての歯を一本一本検査、処置しますので、問題が多い場合には3時間ほど必要になります。
お疲れさまでした!





















