広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

RSS1.0


選択されているタグ : 

%8AO%89%C8

犬の喉頭麻痺 [院長ブログ]

●ゴーデンレトリバー、♂、12歳、ボブ
突然呼吸状態が悪いと電話が入りました。
予想通り、呼吸が著しく早く、チアノーゼ。今にも息が絶えそうなので急ぎ血管を確保して、麻酔をかけて気管チューブの挿管、そして、酸素を送り緊急事態を落ち着かせました。
血液検査、超音波検査、レントゲン検査、喉頭検査の後、原因は突発性喉頭麻痺(喉頭部分が麻痺して、喉頭が十分に解放することができず、呼吸困難に陥る状態)と診断し、急遽、緊急手術に入ることになりました。しかし、数分前に緊急の眼科手術が入っていたため、麻酔を維持したまま順番を待つてもらうことになりました。

●喉頭麻痺とは?
喉頭麻痺は、上部気道の入り口である喉頭の披裂軟骨の外転不全により発生すると言われます。原因は、外傷、腫瘍、代謝異常、免疫疾患、突発性などが上げられます。突発性では、高齢のラブラドル、レトリバーに多い(全体ではまれな病気)疾患です。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●手術内容
喉頭麻痺の手術はかなりの難度があります。
先ず、輪状軟骨(青)と甲状軟骨(黄)の付着部をはずし、そして輪状軟骨と披裂軟骨(赤と桃)の付着部を外します。そして、外した甲状軟骨と披裂軟骨を合わせて縫合(★と★)し、披裂軟骨を引っぱり片側の空気の出入りを確保します。

画像(330x224)・拡大画像(419x285)

●緊急手術
緊急状態のため原因を追究する時間が必要でした。また、緊急眼科手術があったため開始時間が遅れ終ったのは朝の3時でした。そして覚醒後の管理を行い安心して帰宅できたのは、5時半でした。昨日は病院の早朝勉強会も重なり、約24時間働いたことになります。
最後まで付き添われた飼い主さん、そして、スタッフの皆お疲れ様でした。ハードな一日を最後までよく頑張ってくれました。感謝!

●3日後
あんなに死にそうになっていたのに、じっとできないぐらい元気になり、無事退院となりました。この手術の副作用で軽度の咳が常にでることは、我慢してもらわなければなりませのでご理解ください。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●術後7日目
今回、術後患部を圧迫できなかったので、液体貯留は予想していましたが、傷はきれいで、内部の液体もきれいでした。呼吸も落ち着き、食欲も旺盛、元気は抜群ににあります。副反応の咳もなくなりました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

一命をとりとめたボブの回復に飼い主さんも我々も遅くまで頑張った甲斐がありました。皆感動の一出来事でした。


関連タグ :

  一記事表示

油断大敵、よくある犬の腸閉塞 [院長ブログ]

●ビビ、1歳、♀、トイプー
2週間前から時々吐く、食欲にムラあり。
前日から急に大量の血液の混じった胃液を吐く、絶食絶水したが嘔吐が止まらず、ついに来院されました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●超音波検査
腹痛なし、腸に異物らしいはっきりとした物なし。
しかし、超音波検査を行うと腸の動きに異常があることが発見されました。これはまず腸閉塞があると予想されました!

画像(330x246)・拡大画像(640x479)

●腸の観察
閉塞物を取り出しましたが、どうも色が悪く感じます、約30pの部分は血行が遮断され血圧がありません。暫く腸を動かして観察するとだんだんと血行が回復してくるのがわかり、最初は部分切除を考えていましたが、血圧も感じられるようになり切除を中止しました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●ななな何・・・???
梅干し?それにしては表面がスムース。
この物体何者か不明、梅干しにしては軟らかいし、何???

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●出た!2か月前のリンゴちゃん
塊を洗い乾かすと、綺麗なリンゴちゃんが出てきました。
このリンゴ、飼い主さんの手作りで2週間前から行方不明になっていました。、芯にハッポースチロールが入っていので、腸の中をぎゅうぎゅうに絞られながら進んだ結果、硬く丸い何かわからない形に変形したしまったのでした。このリンゴ可愛い顔をしていますが、周りの材質は摩擦抵抗が強く腸にハードなダメージを与えました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

皆さん!まさかが起きることを考慮して、手ごろなサイズのアクセサリーは置かぬように注意しましょう!

●術後
10日後に抜糸が終わり、綺麗に治りました。
しかし、切らなくても良かったお腹を切ったのは残念でした。早い段階で見つけることができれば、胃カメラで摘出することもできたはずです。二度と事故が起こらない様気を付けましょう!

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

関連タグ :

  一記事表示

モルモットの乳腺部腫瘤 [院長ブログ]

●コンちゃん、♂、3歳
鳥、モルモット、ハムスター、兎などの小動物に於いては、犬、猫と比較して麻酔の管理が難しくなり十分ではありません。一方、犬、猫に於いては、人間と同様の麻酔管理が可能です。
今回、コンちゃんは「乳腺周辺にできた腫瘤から出血が激しく続く」ことで来院されました。急ぎ摘出することをお勧めしましたが、切開手術ではなく、患部を凍らせて壊死させる方法を行うことにしました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●凍結処置
乳腺周辺にあった3p大の腫瘤を凍結しました。
白く丸くなっているのが腫瘤でかちんかちんに凍っています。
*注)病理検査を行っていませので、腫瘍を腫瘤と表現しています。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●1週間後
腫瘍全体が小さくなり、カサブタが上に乗っています。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●2週間後
カサブタが剥げ落ち、ほとんど腫瘍が無くなったのが分かります。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●今後
2週間後の診察で、まだ奥に腫瘍が残っているのが分かりました。引き続き同処置を繰り返すことで、完全切除と同等の内容にすることができます。
回数はかかりますが、犬、猫ちゃんと比べて麻酔管理、滅菌管理のしにくさを考慮すると、この方法がベターだと思います。


関連タグ :

  一記事表示

過去の記事へ

ページのトップへ

症例検索キーワード

  • お問い合わせ
  • スタッフ募集
  • 石崎動物病院の日々

検索

最近の記事

リンク集

powered by a-blog

[Login]