犬の顔皺の皮膚炎 [News]
●ひなた 4歳 ♀
「7日前に鼻をぶつけてしまい、その後鼻から膿様の物がでる」主訴で来院されました。見るからに鼻は綺麗です。話を進めると膿は鼻の上の部分から出るとのことでした。
●皺壁の皮膚炎
鼻の上の皺を押し上げると、感染症が見つかりました。皺で皮膚が密封され通気性が悪くなることで、ブドウ球菌による感染が発生していました。
●治療
単短種による皺の皮膚炎はしばしば起こる病気です。犬種特有の疾患ですが、肥満犬♀の陰部の皺でも発生があります。治療は、患部の毛を刈り、消毒することです。予防は、常に皺の部分を清潔に保つことです。
根治治療は、皺を切り取ることですが、その形成外科により大きく形相が変わってしまうことが欠点です。
●7日後
感染が治まり、赤みもほぼ治まりました。
今後は、定期的な毛刈り、観察が必要になります。
関連タグ :
犬の眼球突出 [News]
●ルナ ♂ 1歳
他の犬とじゃれあっている際におかしくなったそうです。眼球が飛び出して既に3時間か経過しているので心配でした。ダメージが著しい場合は、目が元に戻っても、神経障害のために涙が出ない、瞬きできないなどのしょうじょうから、眼球を摘出するケースもあります。
●整復
早速、麻酔を施しました。
眼球を眼窩におさめ、第3眼瞼で圧迫を行いました。眼瞼切開を行わずにできたことは朗報です。
●7日後
腫れていた結膜が引き、眼球が左右対称になりました。
●とにもかくにも速やかに
眼に著しい外傷を受けていない単頭種の眼球飛出では、速やかに対応すれば、良好な経過をたどるのが普通です。今回は、3時間経過していたために、中程度の結膜腫脹と充血があり心配しました。14日後の経過では、視力は確保されていました。しかし、ドライアイが発生していたため、今後の経過観察と点眼が必要になります。
●30日後
ドライアイも回復し、術後に発生した基底膜障害も治癒し、無事に復活しました。
めでたし、めでたし。
関連タグ :
犬の巨大睾丸腫瘍 [News]
●睾丸摘出 ゴンタ 15歳 ♂ ラブラドルレトリバー
「前から少し気になっていたが、今年になってやけに大きくなった!」「もう歳だから、このままで良いのでは?」とお話しいただきましたが、余りに睾丸が大きいため歩くたびにフラフラしている感があり、我々もゴンちゃんとは長い付き合いなので居たたまれず「術前検査をしっかり行い、優しい麻酔で管理しますのでご安心ください」と説得して手術をさせていただきました。
●ついでに脾臓摘出
術前身体検査、そして超音波検査で見つかった脾臓腫瘤も同時に切除しました。脾臓の腫瘍は、大きくなり過ぎると突然破裂して失血し、時には出血性ショックで死亡してしまいます。良い機会でしたので、積極的に手術させていただきました。
●14日後のすまし顔
傷は抜糸が必要ない手技を行ったため往診で傷のみの確認をさせていただきました。飼い主さんからは「以前より元気になって困る」と我々にとっては嬉しいお言葉を戴きました。
ゴンちゃんは、15歳とは思えぬ元気の良さです。睾丸、脾臓に腫瘍ができたことは、真摯に受け止め、これより「気・血・動」を意識し改善し、元気に長生きしていただきたいと思います。まずは、カビも生えないオヤツのジャーキーは止めましょう!