広島県呉市「石崎動物病院」

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猫の化膿とFIPからの復活 [News]

●メイ ♂ 2歳 日本猫
2ヵ月前に陰嚢部分を咬まれたそうです。今回は、治りが芳しくないので、外科的処置を行うことにしました。

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●化膿巣
よりによって悪いところを咬まれた(赤矢印)ものです、両睾丸共に化膿し、既に一方は萎縮(黄矢印)していました。抗生剤の治療を試みましたが、改善がみられないので、両睾丸摘出を含めた膿瘍の解放処置を行うことにしました。

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●睾丸摘出
感染して萎縮した睾丸と感染して腫大した睾丸を共に切除しました。左の睾丸の袋も感染が見られましたので一緒に摘出しましたが、右の睾丸の袋は無事で、その袋を使って喪失した切除創を再建することにしました。

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●術後
片側の睾丸の袋を使用したため、多少皮膚のずれがありますが、問題は生じないと思われます。

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●摘出睾丸
左が感染して腫大した睾丸、右が萎縮した睾丸です。

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●その後の猫伝染性腹膜炎(FIP)
以前、猫伝染性腹膜炎により盲腸周辺を大きく摘出する手術を行いました(記事「猫の伝染性腹膜炎FIP 完治を目指して!」を参照ください)。原因は猫伝染性腹膜炎でした。手術に続いてウイルス治療を行い一命を取り留めた経験があります。その後、再発も見られず順調に育ち現在に至っていましたが、今回睾丸を咬まれ摘出に至ったのは無念でした。

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猫の5年に及ぶ頑固な咳 [飼い主さん感想文]

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6年前からうちの子が喘息のような咳をするようになりました。

其の後、咳が年々ひどくなり、何軒か動物病院に行きましたが、検査をしても何も問題がなく、症状を抑える薬を処方されましたが、効かなくなりいろいろ調べて代替療法を取り入れている病院で診てもらおうと思い、こちらの病院にたどり着きました。

こちらでは体に負担のない治療法をすすめてくださり、早速はじめてもらいました。そうすると、一般の検査では見えなかった原因がみつかり、原因が生活環境の中にあることがわかりました。家のカビだけではなく、水や食事、電磁波まで影響を受けていたようでそういったものが原因になっていることすら知りませんでした。早速アドバイスして頂き、できるかぎり生活環境を改善して治療を受けるようになりました。治療は全く負担にならない様で気持ちよさそうにいつもリラックスしています。

5年も長い間咳が治らなかったのでそれぐらいかかるだろうと思っていましたが、治療を始めて4か月ぐらい経って咳の回数が格段に減りました。特に電磁波の影響を極力少なくするようになってから劇的に効果が表れました。それだけではなく、シニアになっておとなしくなったのかと思っていたら、長年の悪い生活環境の影響で治療を始めたころは「生命エネルギー」が弱くなっているとのことでしたが、今ではおもちゃでものすごく遊ぶようになりました。

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それと昔からうちの子は週に2,3回吐くので体質なのかと思って聞いてみたら食餌のアドバイスをいただき、その通り実行したらほとんど吐かなくなりました。今まで良いと思っていたことが逆に負担をかけてしまっていたのかと思うと本当に申し訳なかったと反省するばかりです。すごく勉強になりました。

院長先生から良いアドバイスをいただき、他の先生や看護師さんたちにもいつも親切にして頂いてこちらの病院に来て本当によかったです。とても感謝しています。少し距離はありますが、全く苦になりません。これからもよろしくお願いします。 廿日市の愛猫家より


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猫の口内炎2 [News]

●ウララ 11歳 ♀ 三毛猫
「出血し、食欲がなく、よだれを出し、前足で口を掻く」主訴で来院されました。口の中は、痛々しく変化していました。

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炎症著しい肉芽病変は、口の側方からはみ出していました。

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●口頬部の痛々しい炎症病変

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●口内炎治療と対策
口内炎の原因は長期に渡る細菌に対する自己免疫による炎症反応です。治療は、抗生物質、免疫抑制剤、インターフェロンなどがありますが、最も効果的なのは全ての歯を抜歯する外科処置です(80%改善)。外科で特に気を付けなければいけないのは、抜歯作業中に歯の小さな根が折れてしまう残根の問題です。この歯根片を残してしまうと、術後再発の可能性が生じるので熟練した手技が必要となります。

全抜歯に抵抗を持たれる飼い主さんが多く、そのお気持ちは十分に理解できます。しかし、長期薬物管理の副作用を考えると積極的に外科を考量する必要があります。また、抜歯後は、歯が無くとも食事は通常通りいただくことが可能です。

●1ヶ月後
今回は、舌根部に膿瘍を形成してしまいました。ようやく飼い主さんが重い腰を挙げ、全抜歯の許可をいただく事ができました。全抜歯は、この状態が治まり次第行う予定です。

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●口腔学セミナー
先般、歯科学の権威者の一人あるペンシルバニア大学のDr.Harveyが来日されました。猫の口内炎についてDr.Harveyも「現段階では、最後の手段ではなく、一番に選択すべき手技である!」と仰っていました。

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私のしつこい質問にもかかわらず、丁寧にお答えいただき、数々の歯科の問題点が消化され、明日への臨床に大いに役立つご教授をいただきました。感謝。


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