広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

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犬の心タンポナーゼ [News]

●柴Mix 桜 18歳 ♀
当院は基本的に完全予約制です、今回は早朝の病院周辺の掃除中に「具合が悪いので見て欲しい!」と慌ててで飛び込んでいらっしゃったお話です。

早速、診察させていただくと起立不能、虚脱、舌と粘膜蒼白(少し青い)などショックを思わせる症状を呈していました。飼い主さんからは、「昨日まで食事をしていたが、お腹を少し壊していた。今回も腹が悪いからだと思う。」程度のお話でした。聴診すると心拍と股動脈との連動に異常を感じました。血管を確保後、点滴を流し、次に心電図を測定。不整脈は無く、しかし、心臓の電気的刺激に反応しているけれども、低く出現している波形が気になりました。早速、心臓の超音波検査の必要性を感じ、まずは常に目の届くICUに入院いただきました。

●状態悪化
ICU管理下15分、横たわった状況から起立可能になり、顔つきにも変化が現れました。しかし、喜んでいたのもつかの間、次の瞬間には、呼吸速迫、横臥状況へ一変しました。急ぎ、緊急処置の為に、処置台に移送し気道チューブを挿管し気道を確保しました。超音波検査を並行して行うと、心臓の外側への著しい液体貯留(心タンポナーゼ)を認めました。心臓は既に周囲の多量の液体の圧迫により疲弊し、連動していた心電図は直ぐに心室粗動へ移行しました。

スタッフが胸を圧迫しながら復帰させますが再び悪化、直ぐに胸の消毒を済ませ、心臓に向けて超音波を見ながら一気にカテーテルを刺し込み排液を図りました。200ml抜けた頃には、心電図は正常に復しました。まさに間一髪の瞬間でした。

●退院
翌日には、状態が180度好転し、起立できるようになり、食欲も回復しました。数日カテーテルを装着したまま通院戴く予定です。心嚢内の液体には腫瘍細胞は見当たりませんでしたが、まだまだ予断は許せませんが、突発性であることを願っています。今回は、緊急事態であったため写真は残せませんでしたが、皆様にご注意いただくことは、徐々に痩せてくる原因の一つに心臓疾患があるとご記憶いただければ、18歳の桜の命がけの経験がお役に立てると思います。

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犬の大静脈症候群 [News]

●コロ 柴犬 16歳 ♂
年末に入り、飼い主さんが、愛犬の
調子が悪いことに気が付いたのが7日前だったそうです。主訴は「食欲なし、動かない、下痢」でした。急ぎ検査を行うと、貧血、黄疸、肝不全、腎不全の結果が検出されました。聴診では、特徴的な雑音があり、超音波検査でフィラリア(犬糸状虫)の虫体を確認しました。

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●超音波検査
沢山の虫が心房と心室間を行き来しています。これで間違いなく、三尖弁(右側の心臓の弁)に虫が絡んでいることが分かりました。

●摘出虫体
まずは、点滴を行い。その日の夕方に手術を行い、摘出虫体はご覧の通り22匹でした。悪い条件(腎、肝不全、貧血、16歳)の中、麻酔をコントロールすることが大変でしたが、短時間の内に手術が終了し、身体にかかるストレスを最小限に抑えれたことが何よりでした。

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●術後看護
フィラリア虫体閉塞による急性腎不全、肝不全は、術後6日目で50%回復しました。時間経過と共に貧血も改善すると予測されます。「2月に可愛がっていた娘さんにどうしても会わせたい!」との希望があり何とかお力になれればとの思いでした。これで肩の荷が下りた気分です。来年から予防を欠かさず、20歳を目標に頑張って欲しいと思います。

下は摘出後の超音波所見です。

●予防薬投与が大切
人間が作り出す薬には、多かれ少なかれ副作用が発生します。当院の方針は、出来るだけ薬は使用しないこと、使用した際には、出来る限り短期間であることを原則にしています。当然犬糸状虫の予防薬にも毒性はありますが、虫体が寄生することを鑑みると、予防が優先されます。

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決意を新たに! [News]

先日、滅多にないスタッフ全員参加の元、本年度の打ち上げを行いました。仕事柄なかなか、皆で集まることはできないのですが、この日は大雪で、患者さんのキャンセルが多く出たのでした。しかし、終了間際に骨折の急患が来院されたりで、1時間遅れのスタートになりました。
我々の理念の一つ「思いやりと優しさを持って、動物と飼い主の幸せに貢献する。」である標語を再確認し、来年も同様にスタッフ一同心ひとつに頑張る覚悟を決めました。


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我々とご縁があった皆様、今年もお世話になりました、来年もお役に立てますよう頑張ります、よろしくお願い致します。

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