広島県呉市「石崎動物病院」

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犬の歯肉増殖 [News]

●紀州犬 18歳 ♂ 龍
6歳ごろから、歯肉炎から歯肉増殖(過形成)が始まりました。
今回で4度目の手術になります。
非協力的(凶暴)で口の中を見せてもらえず、自ら口を開けた際にちらっと見ることでしか観察できませんでした。
高齢(18歳)であることも考慮して手術を延期してきましたが、食事がしにくい「何とかしてくれ!」とリクエストいただきました。

術前の血液検査と麻酔薬の選択を行い、慎重に事を進めました。

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●歯石
歯石は中程度の付着です。
なにより歯肉増殖が著しく、歯を乗り越える勢いです。

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●特に著しい増殖
特に下顎の前臼歯部分の歯肉の増殖が著しく、歯を外側に圧迫するため、食事が食べにくく、時に出血がみられました。
残念ながらこの歯肉増殖処置は、現在のところ増殖部分の切除を繰り返すしかありません。

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●最後の処置???
これで4度目の処置になりましたが、年齢は既に18歳です。
年齢と現在の情報を鑑みて広範囲の歯肉切除と抜歯を行いました。

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残ったのは左右の犬歯とわずかな門歯(前歯)になりました。

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●予後
多くの歯の抜歯と侵襲的な歯肉切除を行いましたが、
3日後には、飼い主さんから嬉しいご報告をいただきました!
「すごく調子が良いよ〜」と。
食欲も旺盛、口も全く気にする様子無し、
もっと早くしてあげれば良かったね!


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犬の口腔内腫瘍 [News]

●なな 11歳 ♀ ダックス
口腔内の腫瘍は、春の定期健診時に見つかりました。
その他、身体検査では、特にお腹(上腹部)の張りが気になりました。
手術前の血液検査では、ALP>3000、ALP負荷試験2978、コレステロール450、Fib608でした。この数値の意味は、副腎皮質機能亢進症(クッシング病)ストレスによる負荷(コレステロールの上昇)と炎症の存在であると解釈しました。
お腹の肥大は上記の病気により肝臓が腫大し、筋肉の弾力性が失われているためと思われます。

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●腫瘤切除
腫瘤周辺の組織を含めて除去し、その下の骨の一部をハイスピードドリルで除去しました。

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●修復
切除した穴を粘膜フラップで被い縫合しました。

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●病理結果
組織診断は棘細胞性エナメル上皮腫、以前はエプリスと呼ばれていた腫瘍で、良性に分類されていますが、時に広範囲に浸潤することがあります。
組織周辺の切除部位は完全でしたが、定期的な観察は大切になります。
何より、今後は、副腎皮質機能亢進症の治療と併せて、病気にならない、さび付かない生き方の改善(食事、水、住環境)が必要です。
気づいてもらえれば良いのですが、、、、。

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犬の糖尿病 [News]

●ハッピー 8歳 ウエスティ ♀
「2年前から伝えていましたが・・・・。」
2年前にクッシング(副腎皮質亢進症)の疑いがあり、精査をおすすめしたしたが、「元気だから!」と私の魂を込めた忠告は虚しくも右から左へスルーされていたのでした。(笑)

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●いよいよ
今年に入り、副腎機能亢進症と、さらには、高血糖(592mg/dl)が引っ掛かり糖尿病であることをお伝えしましたが、
「食欲があるし、元気です」と・・・・変わらず。
その際に何とかお願いして漢方薬(糖尿病改善、副腎正常化、下垂体改善)を処方しました。

●1ヵ月後
しかし、既に高血糖がありましたから2年前とは違います。
1ヵ月後には、元気がなくなり、ご飯を全く受け付けないと再来院されました。想像とおり、漢方薬は飲むのを嫌がるので与えなかったそうです(涙)。

この段階では、糖尿病が著しく進行し糖尿病性ケトアシドーシスを発生、元気消沈、食欲不振、嘔吐の症状が相次いで出現しました。

●強制入院
飼い主さんは、四六時中いっしょなので離れることを特に気にされていました
しかし、この度は無理やりに入院許可をいただきました。
本来は、インシュリンで管理することは本意ではありません、なぜなら、インシュリン療法を始めてしまうと、膵臓が自ら天然のインスリンを分泌することを止めてしますからです。しかし、糖尿病が既に悪化してケトアシドーシスを発生していたのでインシュリン注射に踏み切りました。

入院初日は、著しい脱水と嘔吐で昏睡状態手前でしたが、積極的に点滴、インスリン投与、嘔吐抑制などを行い、4日で安定させることができました。

今後は、飼い主さんの理解をいただきながら
できるだけ漢方薬で管理できるようコントロールできれば幸せです!☺☺☺

●晴れて退院です!
食事、インシュリン管理により血糖値が安定しました。
食事量、インシュリン投与量をお伝えし規則正しい生活を御指導しました。

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そして、何より今までの様に欲しがるからと「おやつを与えない」ことを約束いただき、待ちに待った帰宅となりました。
食事アレルギーがあるため、食事は限定した蛋白(鶏)のみになります。
時々電話で様子(おやつを与えていない)を聞きますのでくれぐれも、宜しく御願いします!

●減感作療法
帰宅後の状態と管理は、「飲水量正常、尿糖なし、食欲旺盛、規則正しい生活、おやつ無し」とですこぶる良好です。
状態が落ち着いたので、アレルギーの減感作療法が始まりました!

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現在は、鶏肉しか食べれませんが、減感作成立後には他の物を気にせずいただけるようになります、もう少し我慢してネ!(実は、これは飼い主さんに向けたメッセージなのです)☺☺☺

●2か月後
途中、下痢などがありましたが、発症から2か月を迎え元気、食欲は安定しています。自宅での尿検査(糖尿、ケトン、潜血なし)でも問題なく非常に落ち着いた状態をキープされています。
これも、飼い主さんの献身的な看護と、規則を重視頂いた結果だと思います。

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減感作療法は、もう少し続きます。現在は、鶏肉しか食べれませんが、何でも頂けるようなる体質改善は目前です!
がんばろー!

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