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2008年09月17日(水)
会陰ヘルニアをご存じですか? [News]
お尻ばかり続き恐縮です。今回は、会陰ヘルニアの情報です。
14歳、ハスキー、雄。
数か月前から便秘状態で、便が2週間も出ない状態が続き、ワンちゃんも飼い主さんも「くたくたに疲れ果てて」来院されました。
ヘルニアと言えば、椎間板ヘルニア(背骨)、鼠系ヘルニア(股)、臍ヘルニア(ヘソ)が有名ですが、今回は、老齢の雄犬にしばしば見られる会陰ヘルニア(肛門脇)をご紹介します。
会陰部とは外陰部と肛門の間を示し、肛門周囲の筋肉群がホルモンバランスの崩れにより、筋肉が萎縮し、そして、その隙間から、腸、膀胱、大網などのお腹の臓器が脱出する病気のことです。
●特徴
老齢の雄犬に多く発生する。
●症状
直腸が隙間から脱出するので、排便が困難になる。便が出にくくなるため、あたかも便秘をしている様に見られることもある。膀胱が脱出し、閉塞を起こした場合には、急性腎不全に陥ることもある。
●治療
脱出した臓器を腹腔内へ戻し、その隙間を骨盤に付着する筋肉を剥がし筋肉弁として、その穴埋を行います。また、直腸の腹側にもヘルニアが見られる場合には、太ももの後ろ長くて大きな筋肉を利用して、穴埋めを行います。
そして、同時に去勢手術を行います。
●注意
老齢の雄犬で、便の出が悪く感じた場合には、上記の病気を考えて、早めに検査においで下さい。また、定期的に肛門周囲をチェックすることも忘れないでください!
●その後・・・。
まだ、左側の手術しか終わっていませんが、数か月の苦しみから解放され、便が「ドー」と出るので、ワンちゃん、飼い主さん共にとってもハッピーです!
1か月後に右側の手術を行う予定です。
11時55分