院長コラム
2009年10月22日(木)
日本獣医三学会 [院長コラム]
●山下獣医師発表
この度、山下獣医師が島根県で行われた獣医三学会で発表を行いました。内容は「腹腔鏡下偽膜性腎嚢胞切除術の一例」です。腎臓周囲に偽膜を形成した猫に腹腔鏡を用いて、通常ならば10cmの切開が必要なところ、5mmの切開創3ヶ所で行うことができた。さらに、肝臓の異常を伴っていたため、本来10cm以上の切開が必要なところを、同じ切開創から肝臓を採取し検査を行うことができたという内容です。
我々人間も検査、手術において痛みが少ないに越したことはないのは言うまでもありません。今回の発表のように、腹腔鏡を用いて検査および手術をすることにより、従来の大きな切開創ではなく、小さな切開創から同様あるいはそれ以上の検査、手術ができることは、とても有意義なことだと思います。
●腹腔鏡検査および手術の欠点および利点
<欠点>
-費用がかかる
-人手が必要
-手技に熟練を要する
<利点>
-痛みが少ない
-回復がはやい
-臓器の乾燥が少ない
-同時に多臓器を小さな創から観察、手術ができる
-術後に切開創からの臓器脱出の心配がない
●山下獣医師感想
腹腔鏡検査および手術は、必ず皆様にお役に立てるシステムであることを確信しております。これを機会にもっと、もっと適応例の範囲を探り、皆様のお役に立てるように精進してまいりますので、ご期待ください。
14時51分