広島県呉市「石崎動物病院」

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2011年02月11日(金)

猫の気胸 [News]

●クロ、日本猫、14歳
今朝喧嘩をし、食欲が無い、足に怪我をしたとのこで来院されました。著しく痩せていることから急性疾患で無いことが分かります。呼吸も速く、重い状況からレントゲン撮影を行いました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●気胸
胸に空気が溜まり、肺が委縮した状態を言います。原因は、肺、気管、胸壁が何らかの原因(外傷、腫瘍、嚢胞など)により破裂することで生じます。
□レントゲン写真では、心臓が変異し、肺が萎縮して中央部に集まっているのが分かります。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

クロちゃんの場合、喧嘩によりなんらかの大きな外傷が胸に加わったのか、以前から病変が潜在的に存在していたのかは分りませんが、上記の通り慢性の可能性があることを示唆します。処置は、まずは胸腔チューブを装着し、貯留した空気を抜くことです。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●血胸
数日後からは、空気に変わり液体が溜まる様になりました。再度、カテーテルを装着して調べると、内容は血液でした。
この血液を調べると、成分内には腫瘍細胞と思われるものも発見されました。

●今後
クロちゃんの年齢を考えると、最終診断に侵襲的な開胸手術を行って原因を追究し処置することが、果たして適切であるか迷うところです。この点を飼い主さんとじっくり話し合い、今後の処置を煮詰めていきたいと思います。

16時53分


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