広島県呉市「石崎動物病院」

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2013年06月03日(月)

猫の永久気管開口術 [News]

●あいバーちゃん 17歳 ♀
「1か月ほど前から呼吸状態が悪い」と他の先生よりご紹介いただきました。食欲はあるのですが、明らかに異常がある呼吸様式です。喉頭部を聴診すると捻髪音が聞かれました。手術も考慮して、精密検査のためにお預かりすることにしました。

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●喉頭部内視鏡
一見、異常がないような喉頭(のど)ですが、よく見ると片側の喉頭蓋(喉の入り口)が腫脹し、腫瘤病変が見つかりました。続いて内視鏡で喉頭の詳細を見ることにしました。

下は、気管の入り口の蓋(喉頭蓋)の部分です。
左側に丸く膨らんだ腫瘤が見えます。
ここでカメラを止めて観察すると、蓋が吸気時にほとんど開けなくなっていることが分かりました。⇒だから呼吸様式がおかしかったのです。

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上記の写真から少し気管内に入ったところです。
左側に連続した腫瘤塊が見えます。

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●永久気管開口術
飼い主さんの思いは、「この苦しいそうな呼吸をなんとかしてやりたい」でした。喉頭蓋の腫瘍の処置より先に、呼吸を確保しておかなければなりません。よって、まずは気道を確保する手術をおこないました。

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●術後2日目
開放した部分を1日4-5回クリーニングしなければなりませんが、7日もすれば1日数回の処置になります。

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●術後10日目
努力呼吸は正常に復し、食欲旺盛で安定しました。
喉頭における腫瘍は、飼い主さんの希望、あいバーちゃんの年齢を加味して切除するかどうかを検討していきたいと思います。まずは、呼吸確保成功せり。

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今後、喉の検査を行い腫瘍(リンパ腫?)か腫瘍(脂肪腫?)でないかを判断して治療を始める予定です。

●後日の細胞診
永久気管形成術が落ち着きましたので、再び麻酔をかけて細胞診を行いました。結果は、上皮系の腫瘍が疑われました。

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●術後20日目
皮膚の形成を加えて7日後の写真です。
喉頭部分は、手術はしないことにしました。
食欲元気共に安定しています。

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20時51分


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