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私がワクチンを積極的に勧めない理由 [News]
●ワクチンの仕組み
ワクチンは、簡単に申し上げれば病原体を不活性化あるいは弱毒化して体に接種し、免疫反応により抗体を作り出し、その抗体で身体を守る方法です。
生まれた子犬子猫は母親からの抗体である移行抗体を受け継いでいます、この抗体は子供たちを感染症から守りますが、抗体がある時期にワクチン接種を行うとそのワクチンは無効となります。
通常親からの移行抗体は生後8〜12週で無くなるので初年度の最終ワクチンは16週齢以降とします。その後は追加接種を1年後にし、その後は3年ごとに接種を行うのが、世界獣医感染症学会の推奨プログラムです。
動物のケースでは、人間ほどの悪い保存料(水銀など)が入っていないことで一安心ですが、15年前から漠然と毎年ワクチン接種することに疑問が生じ3年間を通じてワクチン接種の必要性を調べました。
●ワクチン抗体検査
今から12年前、世界獣医感染症学会の推奨プログラムが本当正しいのかと
犬600頭、猫120頭を3年間に渡り抗体測定をおこないました。
結果は毎年ワクチン接種を必要としたケースは犬も猫も約35%でした。
残りの約65%は毎年のワクチン接種が必要ないことが分かりました。
上記の結果から、当院のプログラムは以下を設定しています。
@初年度:16週を最終接種とする
A2年目:初年度から1年後にワクチン接種
B3年目以降:毎年の抗体検査
※明らかに抗体が高値の場合は3年後に抗体検査
●過去の抗体検査調査
Searchで 抗体検査の報告書
と検索してください。
犬と猫の3年間の抗体調査が分かります。
●ワクチンも異物、よってシンプルに
病原体は体にとっては異物、よそ者です、さらに保存料が同時に打ち込まれます。こちらも体にとってはよそ者です。
免疫細胞は律義にも休むことなく、体に侵入した異物に対して直接攻撃を加えたり、抗体を作ります。
身体に入れる異物はできるだけ少ないに越したことはありません。
世界獣医感染症学会が推奨するコアワクチンは
@ジステンパーAパルボBアデノです。
現実にコアワクチンをカバーするとなると最低限度5種ワクチンの選択になります。
上記の理由から
当院のワクチン接種は5種あるいは3種を接種しています。
そして漫然と接種するのではなく、抗体検査結果に基づいて判断しています。
私が抗生物質を使わない理由 [News]
●抗生剤が効かない
数十年前より警鐘を鳴らされて久しいですが、いよいよ末期的な状況に陥ってしまいました・・・。
あまり実感がないかもしれませんが、人類は医学分野でも大きな危機に直面しています。それは、抗生剤が効かない耐性菌の出現が増加していることにあります。
なぜ効かなくなったかと言うと、シンプルに言って抗生剤の乱用です。つまり何でもかんでも抗生剤を使用してしまうからです。食品業界でも、お肉の量を増量させるために低用量の抗生剤を家畜に当たり前に投与しています。そのお肉をいただく我々そして、動物達も同様に抗生剤漬けになっているのです。
●風邪には効かない
抗生剤は細菌に効果を示しますが、風邪の原因であるウイルスには効果がないのにかかわらず、病院にかかると当たり前に抗生剤が出ているのが現状です、さらに幅広く効果を示す広域の抗生剤を処方されることが多くあります。つまり、原因菌だけでなく、片っ端から菌を殺しにいくのです。厚労省は風邪には抗生剤を使用しないよう注意喚起していますが現状は守られれいないようですし、患者側も抗生物質を依頼することが多いそうです。
さらに問題なのが抗生剤の処方で腸内の細菌が居なくなった隙にわずかに存在するカビが領土を広げ、その活動がリーキーガット(腸漏れ)を発生し、様々な病気の原因を作りだしてしまうことです。一旦増殖してしまった腸内のカビはなかなか退治することはできず、化学物質で対処しようとしても、抗生剤耐性菌と同じく仲間同士で連携をとってシールドを形成して薬剤の効果を遮断してしまいます。
微生物も自らの存続を考えて、あの手この手で対抗してきます。何より40億年の太古の昔より生き抜いてきた彼らは、人間より優れたAIを持ち遥かに賢いことを知らなければなりません。
腸漏れはグルテンによっても腸管上皮細胞間の隙間(タイトジャンクション)が広がり腸漏れの原因となります。動物も人間も現代版遺伝子組み換え型グルテンには細心の注意が必要になります。
グルテン成分のグルアジンは、上皮細胞に作用するとゾヌリンガ分泌され、その細胞間の隙間の接着が緩んでしまい、体に入ってはいけないもの(毒素、細菌、蛋白質など)が侵入して病気を作り出します、併せて腸漏れが始まると脳漏れも始まります。
●当院では
当院では抗生剤の使用は、外科手術の際に静脈から1度投与する使用に限定しています。その他の使用は殺菌性の漢方薬により対応し、耐性菌の出現防止、カビの繁殖防止に細心の注意を払っています。
全ての薬剤を含めてですが、「とりあえず」で使用することは厳に慎んでんいます。
20世紀最大の発明は「ペニシリン」というカビから作られた抗生物質が多くの人々を救いました。その後、化学合成で大量生産する利益追求型に変化したことがターニングポイントと思われます。
人間はいつの日か微生物の協力により生かされていることを忘れ、見境のない細菌敵視により抗菌剤が効かない状況を作り上げてしまいました・・・・。
腸内の共生細菌は外部から侵入してくる病原菌の感染を日夜防御してくれるのです。抗生剤を使用すると共生細菌が多くが死滅し、その彼らが居なくなった空間(土地)は無防備となり感染を受けやすい、また、抗生剤が効かないカビが繁殖する状態になるのです。その元には体側のエネルギー機能障害、欠乏状態も存在します。
「今だけ良ければ」と考えるのではなく将来を見据えて、行き過ぎた衛生思考を正し、抗生剤、消毒剤などをやたら使用して微生物を減らす行為を慎み、我々、そして動物たちにとって不自然な方策を正し、未来の存続に向けて危機感をもって行動しなければならないのです。
ノミ・ダニ駆除薬を積極的に勧めない理由 [News]
●ノミ、ダニ駆除薬
これからノミの季節が到来しますネ。
皆さんは、安易にノミ駆除、幼虫、卵発育抑制薬を投与していないでしょうか?
そもそもノミ、ダニ駆除剤は作物に付く虫を駆除するための農薬なのです。ノミ、ダニなどの昆虫をを駆除して動物、人間には害がないと謳っていますが、わかりやすく簡単に言えば「自分の体に農薬を付けますか!?」です。
ノミ感染はノミによるアレルギーや消化管に瓜実条虫の感染がおこります。ダニでは血液中に寄生するバベシア原虫による貧血、最近は人間で話題となっている重症熱性血小板減少症などの問題を引き起こしています。
しかし、上記の問題が存在するとしても、日常的に化学物質を皮膚に刷り込む行為はお勧めしていません。
●駆虫薬の歴史
日本で化学合成された農薬使用は戦後で、DDTやBHCなどの有機塩素系農薬であった、戦後まもなく頭に住み付いたシラミの駆除として白い粉散布していた古いTV映像を思いだします。
しかし、毒性が強く1980年代に使用禁止となり、新しく登場したのが有機リン系殺虫剤でした。昆虫の神経に作用し殺虫するもので、人間には害が低いと言われましたが、ヨーロッパでは禁止されました。おかしなことに日本では未だによく使われています。
次に登場したのがネオニコチノイド系殺虫剤でした、ミツバチが群れごと消えることで問題になって以降、ヨーロッパはじめ禁止する国が相次いでいるのにかかわらず日本は緩和しています。
※本当は危ない国産食品 奥野修司氏 新潮新書引用
●安全性
ネオニコチノイド系殺虫剤は哺乳類には毒性が弱く、昆虫にはその数千倍も毒性が強いので安全と言われていますが、代謝産物となると昆虫と哺乳類では毒性が逆転するものもあるそうです。代謝産物は全てにおいて調べられてはおらず、また他の化学物質と合わされば発癌、神経毒性の発現、免疫細胞の低下などは誰もわからないのです。
●当院の駆除薬と使用条件
当院で準備しているのは、ノミ用にネオニコチノイド系殺虫剤のイミダクロプリドとピリプロキシフェンの合剤のアドバンテージプラス。
ダニ用にフィプロニルとメトプレンの合剤のフロントラインプラスがあります。
フロントラインの方が毒性が強く、ノミだけの駆除であればアドバンテージを提供しています。
しかし使用条件があり
それら寄生虫により重度の問題を起こしている場合のみ使用し、例えば数匹のダニであれば直接除去、あるいはそのダニにのみ駆除薬をつけることをご指導しています。その際にはバイオレゾンナンスの事前測定で肝臓、腎臓の評価、そして安全性における相性測定後にお渡ししています。
●ご提案
未知の危険性のある駆虫薬を付けるのではなく
以下の方法をご検討ください。
@ノミ取り櫛で除去する
Aダニ取りセットで除去する
Bビール酵母を毛に刷り込む(当院で準備可)