眼内炎? [院長ブログ]
●イチゴちゃん 雑種猫 ♀ 13歳
<病歴>
1ヶ月前から治療(抗生剤とステロイド)を受けるが、良かったり、悪かったりでまったく目の赤みが取れないと当方へ来院されました。
<身体検査所見>
結膜充血、眼圧上昇、眼の中の構造が不明、フィブリン(線維)が堆積しているように見えます。血液検査では、著しいい炎症像があり、当日は39.8度と発熱がありました。(眼内感染を強く疑います!)他の所見は、腎萎縮、栄養状態がやや低下、歯石(2+)でした。
●以前に目を怪我した経験があり、最近では、食欲が半減、時々発熱を繰り返すとのことでした。超音波検査を行いました。眼内構造に異常がみられレンズも不明であることから、麻酔下で角膜切開をして探査することにしました。
●眼底から出てきた膿の塊です!レンズは脱臼して、眼底深くへ落ちていました。眼内内容の一部は細菌培養検査へ提出しました。
●眼内より摘出された内容です。膿、前嚢カプセル、レンズ、ぶどう膜など。
●原因は、たぶん以前に怪我をして、その怪我から眼内に感染が起こり、今回の眼内膿瘍につながったと考えられます。猫ちゃんの場合には、眼に炎症産物が出現することがしばしばあり、多くの原因が「猫伝染性腹膜炎」であり、その症状の一つとして出現します。
狼爪(ろうそう)について [よくある質問]
●狼爪をごぞんじですか?
狼爪と書いて「ろうそう」と読みます。人間の親指に当たる骨です。昔、昔、犬の祖先の狼は、岩場を登り降りする際に、この親指に爪が必要だったそうです。
柴犬凛ちゃん、この度、腹腔鏡下不妊手術に来られましたが、この狼爪が以前から気になるので、この機会に一緒に切除されることを希望されました。
●この狼爪、特に後ろ側は、日常生活にて使用することはなく、よって、爪のみ伸びてしまい、足の裏のパットに食い込むことがしばしばあります。
●術後です。10日目に抜糸の予定です。
多くは、このちゃんの様に、他の麻酔のついでに切除しますが、犬の種類によっては、生後一週間で断尾と共に切除を行います。(プードル、コッカースパニエルなど)
●首輪をのぞくと、良く見る丸い型の鈴ではなく「ヤカン型」でした。
可愛いので、思わず撮影してしまいました。
隠れたお洒落とはこのことでしょうか・・・キュート!
シャリホツちゃんのその後・・・ その4 [院長ブログ]
●4月9日 晴れ
2回目の手術も無事終了し、一安心のシャリホツちゃん。
さらに、元気もりもり、庭を走り回ります。
●シャリホツちゃんの病理診断報告書
@脾臓=出血および結節性過形成(非腫瘍性)
高齢の犬にしばしば認められる病変で、悪性腫瘍である血管肉腫との鑑別が必要となる。
今回、腫瘍性の血管内皮細胞は確認されないことから非腫瘍性病変である結節性過形成と診断される。
A腎臓=間質性腎炎の疑い
腎臓に発生する腫瘍としては、腎細胞癌、腎芽腫、腎リンパ腫などが発生するが、犬ではまれである。
今回の検査では、腫瘍性変化は観察されないこと、間質にリンパ球浸潤および尿細管の変化が認められることから、間質性腎炎と診断される。
B皮膚の腫瘤=毛胞性嚢胞
2箇所の腫瘤において角化物や嚢胞の形成が認められるが、嚢胞壁には腫瘍性増殖は観察されないことから、毛胞性嚢胞と診断される。
●今後・・・
心配していた病理検査でしたが、悪性所見がなく「ホッ」としました。
残す問題は、間質性腎炎です。
これから、その治療を速やかに開始し、安心して余生がおくれるよう一緒に頑張りましょう! スタッフ一同









