口唇の腫瘤 [院長ブログ]
●ヨダレが出る
飼主さんからのお話では、最近「ヨダレ」がよく出るとのことでした。そして、よくみるとなんか黒い物が唇に付いているのでは?と来院されました。
確かに楕円形の卵様のできものがいました。昨年悪性腫瘍の手術をしたばかりなので、急ぎ摘出することにしました。
●確認事項
腫瘍を切除する際に気を付けなければならないことは、腫瘍以外の健康組織を含めて切除しなければいけない事です。できるだけ範囲が広いほど良いのですが、あんまり大きく切除しすぎると修復できなくなります。そして、必ず確認しなければならないのは、切除部位に腫瘍が居ないかどうか?居るのであれば「どの側か?」です。そして、その腫瘍が血管に侵入しているかどうか?です。もし、切除が不完全であれば、躊躇せずに切除を広げて再手術を行います。
●切除後
手前と内側の唇を安全域を含めて切除しましたので、大きな傷になりました。幸いこの部分はゆとりがあるので、外観の変化もなく、翌日はいつもと変わりなく食欲旺盛で、飼主さんも「ホット」されていました。
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「しつけ」ができま(いや、されま)した! [お仲間紹介]
●チワワ 1歳 マロン♀
以前は、パピヨンを飼われていました。なかなか性格が厳しくて、一筋縄ではいきませんでした。今回、新しくチワワのマロンが家族に加わりました。
初めて身体検査をした際に、既に飼主さんよりポジションが上になっていて、嫌なことをすると唸る状態でした。耳をのぞくだけで咬みつくので、早速、私が強めの口調で接し、咬みつきにきた瞬間に抑えこみました。この事で自分より上の者が世には存在することを理解いただきました。
数秒後には、とっても従順でどこを触っても怒らない、良い子に変身しました。オオカミは群れをなす動物です、家庭内で上下関係が成立していないと、病院での診察が難しくなり、お互いに不幸な関係になってしまいます。
しつけが分からない飼い主さんは、早めに当院「躾係」へ予約して方法を学んでください!
口腔内腫瘍!? [院長ブログ]
●むさし シーズー 4歳 ♂
この度、遠くは島根県(浜田)からわざわざお越しいただきました。主訴は、口の中が腫れてきたので地元で診察を受けたところ「注射をうって、腫れが引かなければ腫瘍だろう?」と告げられ、とても心配になりセカンドオピニオンとしてご来院いただきました。
●レントゲン写真
大きな袋のなかに歯が浮かんでいるのが分かりますか?人間で言う、親知らずみたいなもので、本来表に出るはずの歯が埋まりこむことにより、それが刺激となり袋が形成されました。(ムサシ君の場合は、子ではなく親が隠れていましたが・・・・)
●切開
既に大きな穴が形成され袋状になっていました。
隠れていた歯と骨化した組織を取り出し、周辺の骨を少し切除しました。

●摘出
この永久歯が中に埋まりこみ、継続的に炎症を起こし、袋の形成の原因となっていました。
●縫合
処置後の唇を形成して、大きな穴を閉じました。
一緒に歯石も除去しました。(基本的に口腔内処置をする場合には、歯石除去を先に行い、口腔内を綺麗にしてから処置を行います。)
●欠歯(けっし)
全ての歯においてレントゲンを撮影しましたが、もう一か所、歯が隠れていて、そして袋が形成されている場所がみつかりました。しかし、同じ欠歯の部位でも、先天的に歯が欠損している場所もありました。
●アドバイス
先天的に歯の数が少ない場合には、レントゲン写真にてその状況を把握しておくことが大切です。歯が存在しなし場合や、今回の様に歯が隠されている場合がありますので、積極的な検査をお奨めします。
夜遅くなりましたが、むさし君は無事に浜田へ帰れらました。元気でね〜!









