選択されているタグ :
難治性皮膚病 Case2 [院長ブログ]
●初診
@2年前から皮膚病が始まりまったそうです。医療関係の飼い主さんでしたので、自分でかゆみ止めを処方して、シャンプーを定期的にしていたと言われます。皮膚は痛々しいほど、黒くて、真っ赤です。
A見事にはげ上がり、皮膚が黒くなり慢性化を示します。僅かに残る毛が、惨状を物語ります。皮膚の検査を行うと、多くの酵母の感染が見られました。また、皮疹の原因は、細菌感染と思われます。血液塗抹でも白血球の中毒性変化を認めましたので、抗生物質を開始しました。また、食事は陰陽食事指導を開始しました。
●●12日後
@痒みがずいぶんと治まり、皮膚の赤みも低下し、毛が増えてきました。
Aシャンプーは、今まで飼い主さんが購入していたものから、界面活性剤の入っていない皮膚に優しいタイプに変更しました。著しいフケも少なくなり、ベトベトからしっとりと変化してきました。
続く・・・・。
関連タグ :
長期経過した皮膚病 Case1 [院長ブログ]
●2歳半、ダックスフンド、コロン、♀
生後3か月から痒みが広がり、他院で治療するも良くならないと遠方よりこられました。コロンは、とっても大人しい優しい性格です。体に少し触れるだけで、ポリポリとかきむしり、痒さがこちらに伝わります。じっと2年間この痒みに耐えて来たと思うと気の毒になると同時に、ファイトが湧いてきます!「何とか改善させるぞー!」と。まずは基本に戻って鑑別診断を行いました。目の周り、鼻、耳の先端と脱毛し赤く変化していました。
●前足
真っ赤になった上に、脱毛が著しく、歴史を物語る皮膚の皺が見られます。皮膚には著しい酵母感染が見られました、この症状は、2次的変化だと考えられます。痒みを表す病気には、疥癬(ダニ)、アレルギー(食物、アトピー)膿皮症、真菌症、マラセジア、蚤などが挙げられますが、それぞれを除外しながら治療を進めたいと思います。
●後足
同じく、脱毛と発赤が著しく、見るのがつらくなります。皮膚は慢性化のために厚く肥厚しています。皮膚から材料をとり、寄生虫、カビ、酵母の感染を検査し、膿皮症に対しては抗生物質を投与し、食物トライアルを開始しました。
●●2週間後
一番変化のあったのが顔です。鼻先の潰瘍も無くなり、目のまわり、鼻のまわりと毛が増え、赤みがほとんどなくなっているのが分りますか?
●●前足
赤みがまだ残りますが、脱毛部に少し毛が生えてきました。
●●後足
こちらは、明らかに赤みが減りました。皮膚の皺も随分と減りました。長い間、痒いのを我慢して辛かったと思いますが、この度の治療が功を奏し嬉しい限りです。コロンも病院へ来る度に、しっぽの振り幅が大きくなって喜んでくれている気がします。「待ってろよ〜コロン。必ず痒みを止めて、毛を生やしてあげるから〜。」
続く・・・・。
関連タグ :
ホクロと見間違うダニの寄生! [院長ブログ]
●正式名 マダニ
一般的にダニと呼ばれる寄生虫です。日本では主に6種類のマダニが認められます。血液を吸うことで色づき、大きく拡大します。突然「ホクロの様なできものができてしまった!」と来院されることがあります。特に草むらへ散歩へ行くとくっついてしまいます。もし、ダニが見つかったならば、急いで引っ張って取る様なことはせずに、まずは冷静になって、ダニをつかんで(怖くなければ手でも良い)一方方向に回転させながら外します。外すとは、口が皮膚に噛んでいて、安易に引き離すと口だけがその場に残ってしい、炎症を引き起こします。ですから、回転が大事!病院に来られれば、一度ご教授しながら取り方をお見せしますが、何よりダニのつく環境であれば、ダニ駆除薬(必ず病院用)をつけること。そして、その環境にできるだけ近寄せないということが肝要です。
広島県内では、非常に少ないですが、隣の県ではダニによる血液の寄生虫で命にかかわる大きな病気になってしまうことがあるので、注意が必要です。
ちなみに、右の小さなダニが血液を吸うと、上の大きなダニに変身するのです。
●処置
病院のダニ駆除薬を使用してください。首の後ろに滴下するタイプをお勧めしています、その効果は約1か月持続します。安全性は確保されていますが、できることならば、駆除薬を使用しないに越したことはないのです。しかし、土の上を歩く散歩(草むら)を犠牲にする方が良いか?ダニ駆除薬をつけない方が良いか?難しい判断になりますネ。












