広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

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猫の気胸 [院長ブログ]

●クロ、日本猫、14歳
今朝喧嘩をし、食欲が無い、足に怪我をしたとのこで来院されました。著しく痩せていることから急性疾患で無いことが分かります。呼吸も速く、重い状況からレントゲン撮影を行いました。

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●気胸
胸に空気が溜まり、肺が委縮した状態を言います。原因は、肺、気管、胸壁が何らかの原因(外傷、腫瘍、嚢胞など)により破裂することで生じます。
□レントゲン写真では、心臓が変異し、肺が萎縮して中央部に集まっているのが分かります。

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クロちゃんの場合、喧嘩によりなんらかの大きな外傷が胸に加わったのか、以前から病変が潜在的に存在していたのかは分りませんが、上記の通り慢性の可能性があることを示唆します。処置は、まずは胸腔チューブを装着し、貯留した空気を抜くことです。

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●血胸
数日後からは、空気に変わり液体が溜まる様になりました。再度、カテーテルを装着して調べると、内容は血液でした。
この血液を調べると、成分内には腫瘍細胞と思われるものも発見されました。

●今後
クロちゃんの年齢を考えると、最終診断に侵襲的な開胸手術を行って原因を追究し処置することが、果たして適切であるか迷うところです。この点を飼い主さんとじっくり話し合い、今後の処置を煮詰めていきたいと思います。

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肝膿瘍と肝葉切除 [院長ブログ]

●ラブラドル、14歳、メス
食欲はあるが、熱が持続し、けだるい状況が続くとの主訴で紹介を戴きました。超音波検査で肝臓内の嚢胞を確認。血液データーは、驚くほどの異常はありませんでした。距離的な問題があるので、血液培養の結果がでる数日間、紹介戴いた病院へ戻り通っていただくことにしました。

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●緊急手術
「急にお腹が大きくなり、膿が溜まり腹膜炎になっているようだ!」と報告を受け、再来院いただき緊急手術になりました。お腹の中は膿瘍が割け著しい腹膜炎を発していました。大量の膿を吸引し、嚢胞に癒着した胃、大網を慎重に剥がしながら左側の肝臓を切除しました。

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●術後
点滴、徹底した疼痛管理、胸腔チューブによる持続吸引などの集中治療を行いましたが、残念ながら術後4日目で力及ばず亡くなりました・・・・大変残念です。数日後の血液培養検査では、サルモネラ菌による敗血症であったことが分りました。肝膿瘍自体、多い病気ではありません、また、肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるように、ぎりぎりまで症状が分りません、定期的な腹部超音波検査を受けていれば、早い段階で検出できたと思うと悔しいです。
<病理検査結果>検査結果は、肝膿瘍の形成を伴う、高分化型肝細胞癌で、腫瘍切除は完全でした。

皆さん!腹部超音波検査(特に7歳を越えたら)を定期的に受診しましょう!


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海外研修終了 [院長コラム]

●霧島噴火
今回の霧島火山の噴火の影響で6時間待たされました。なんでも、成田に入航するはずの飛行機を関空に急遽下ろし代行したそうです。10時間、いや実質16時間かかつたのですが、時差が無いので助かりました。

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●放射線照射装置
今回お邪魔した専門病院の一施設です。アメリカでもオーストラリアでもスペースが十分に確保されていることを羨ましく思います。この放射線施設も我が病院がスッポリ収まるぐらいのスペースがありました。
近年、人間と同じく動物も腫瘍の発生率が高く、症例によっては放射線療法を行っていました。日本でも限られた大学にありますが、個人の病院で週に4、5例もの適応があるのには驚きです。

●終了、卒業式
実習内容は前回の記事のとおり約6時間、2日間でした。

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実習後に整形外科担当医と看護師さんに記念撮影をお願いしました。その夜には、病院長であり軟部外科、腫瘍外科担当のRod先生から卒業証書を戴きました。
詳細に渡り、ご指導いただき有難うございました!

●帰国
帰国時も、噴火の影響で同じく6時間待たされました。本来、夕方6時に帰国予定が、夜中の12時半到着。交通手段も無く、航空会社が用意したバスに乗り、新大阪のホテルに到着した時には既に夜中の2時を回っていました。
過去に経験の無いほどの待ち時間で心底疲れ果てましたが、新たに習得してきた技術でお役に立てると思うと嬉しい気持ちになります。

留守中ご迷惑をお掛けしましたことお詫び申し上げます。
引き続き宜しくお願いします。
院長 石崎俊史
 


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