広島県呉市「石崎動物病院」

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ハムスターの断脚 [News]

●ハムスター 3歳 リボン ♀

右後ろ脚にできた腫瘍に最近気づかれたそうですが、既に巨大化していました。足を落とすことをお勧めしましたが、麻酔のリスクをお話しすると、なかなか踏み切れずに検討の日々が続きました。

しかし、数日もすると腫瘍部分を自らかじり、大量出血で意識消失状態で来院されました。もう迷っている段階ではないので、脚をかじらないように保護して、快復を願って7日後に手術の予約を入れました。

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●ハムスターの麻酔
当院では、ハムスターの麻酔は、先ず酸素化を十分に行い、それから、ガス麻酔(セボフルレン)吸引で行います。消毒の為に人間と同じ手順で行いますが、心電図、麻酔モニター、酸素飽和度メーターなどを装着できないので、麻酔管理は呼吸状況の観察が主になります。よって、術創部分を覆う消毒布は、透明なシートを使用しなければなりません。

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●術後
亡くなったように見えますが、まさに今、無事に手術が終わったところです。手術中に呼吸が止まることなく、また動くこともなく終わり皆でホットする瞬間です。

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かなり大きな腫瘍でした。この段階まで飼い主さんが気づかなかったのには問題がありました。ハムスターは、3歳ともなると癌年齢です。普段からよく観察して、肥満を防ぎ、できるだけ安全な食事を与えなければなりません。

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●術後3日目
飼い主さんの第一声は「とっても元気になりましたー!」嬉しい響きです。一時は失血で死にそうだったことを思うと、驚くほどに元気になっています。
無事に手術が終わり、元気な姿をみると何とも幸せな気持ちになります。
バンザーイ!


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耳の悪性腫瘍(遅れた判断) [News]

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●三毛猫 16歳 ♀
「2年前に、他の猫に耳の先端を噛まれて傷になり、その部分を気にして引っ掻き続け耳が無くなってしまった」との主訴でした。1年前から病院に通うが、年齢的に手術ができないと言われ、昨日来院されました。

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●溶解した耳介
飼い主さんは、外傷からこの状況になってしまったと思われていましたが、外傷がいくら進行しても、耳を溶かしてしまうことは決してありません。
傷は、溶解している組織と増殖している組織が見られます。見た目では判断してはいけませんが、稟告の歴史と傷の状況から扁平上皮癌を最も疑いました。
★この度、激しい写真を掲載したことをお詫び申し上げます。


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●細胞診
細胞は、たくさん取れませんでしたが、扁平上皮というより線維肉腫を疑います。悪性所見はあります。

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●今後の計画
耳介が溶け去り、さらに奥の耳道に浸潤波及している状況です。そして、慢性腎不全を持ち、中等度の脱水があります。確かに麻酔をかけるには危険を伴いますが、このまま腐った状況を放置する訳にはいきません。飼い主さんと十分に話し合い、万全を期して処置を行うことにしました。

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●数日後の処置
慢性腎不全の管理を行い、数日前から脱水をとって麻酔をかけて@胸のレントゲンA耳の炭酸ガス処置B凍結処置C術後の食欲不振を考慮して胃チューブ装着を行いました。

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●切除軟骨
レーザーで切除した耳道の軟骨です。軟骨以外の耳の組織の9割は、無くなっていました、

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●翌日
見た目は、初日と変わらなく見えますが、かなり綺麗になっています。腫瘍組織は凍結処置により破壊していますので、多くは壊死して脱落します。

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ともかく、第一段階終了です。明日は、退院です。
耳からの持続出血がなくなり、来院された時より元気になった気がします。腫瘍を完全に除去できるかどうかこの段階では分かりませんが、除去できた折

には、皮膚弁による縫合を行いたいのですが・・・・。


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軟部組織肉腫(遅れた判断) [News]

●ラブラドル ♀ 12歳 ラブ

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4月の後半に「咳」の症状で来院されました。その際の身体検査で左前足先に小さな出来物を発見しました。我々の仕事は、確固たる証拠がない限り、疑ってかかることを重視し、見た目だけで決して判断してはいけないことを厳守しなければなりません。この写真は、5か月後の手術前の写真ですから随分と大きくなっていますが、、私が発見した当時は、可愛く小さなものでした。検査、切除を薦めましたが、飼い主さんにとっては、見た目はきれいだし、小さな塊なので「イボ程度」に考えて、切除することは到底考えられませんでした。

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●思いきって切除
ここまで大きくすると(上記)腫瘤部分を切除しても周辺からの皮膚が足りず、また、切除後に皮膚移植にしたとしても動物の性格、稼働しやすい部分であることから、指ごと落とすことが適切であると判断しました。確かに指は残すに越したことはありませんが、人間ほどの不自由はありません。

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●病理結果
結果は低悪性度の軟部組織肉腫でした。腫瘤は完全切除がなされ、予後は良好であるとの報告でした。

以前も同じことを書いていますが、見た目だけで腫瘤を決して判断してはならず、必ず組織検査をおこなって、速やかに小さなうちに切除してしまうことが大切です。
そして、繰り返しますが、切除してからの今後の生活改善を行わなければなりません。


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