広島県呉市「石崎動物病院」

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腹腔鏡による卵巣遺残摘出術 [高度最先端医療]

●卵巣遺残
大型犬/著しい肥満犬/胸の深い犬種では、開腹して卵巣を引き出す作業に困難を生じることがあります。そして、まれに卵巣の一部が取りきれずに残ることがあると聞きます。

今回、このケースでは「不妊手術をしてもらったが、出血と陰部腫大を定期的に繰り返す。」主訴で手術を行った病院の先生の紹介で来院されました。

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●残存卵巣摘出術

映像で見られるように卵巣の一部が腎臓後方に残っているのが分かります。僅か8mmほどの組織ですが、完全切除を行わないと発情を繰り返すことになります。
超音波であらかじめ確認を行い、腹腔鏡で狙いを定めてアプローチしました。

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●その後
半年後、いつものように発情(陰部出血、陰部腫大)を起こさなくなり落ち着いたそうです。不妊手術の目的は、@子供をできなくするA発情を止めることだと思います。卵巣の一部でも取り残しがあると、手術後も継続して発情を繰り返します。特に胸の深い大型犬になると卵巣を引き出すことに苦労を要します(私も以前は苦労していました)ので、腹腔鏡による手術は、痛みの軽減だけでなく、卵巣を確実に完全に切除できる点も有益だと言えます。


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島根県 温泉津温泉 元湯2 [院長コラム]

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●温泉津温泉
2度目のレポートです。島根と言えば温泉津温泉ですが、前回は、表の入り口の写真しか取れなかったので、再度紹介しました。

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●更衣室
地元の常連達の味のある専用ロッカーです。同じく味のある更衣室の壁を見渡すと、効果的な湯の入り方が書いてありました。「2枚のタオルを用意し、一枚は風呂で使用。2枚目は、浴衣を着る前に乾いたタオルで拭き取ることで温泉効果がより現れます」とのことでした。次回からこの指導を実践してみたいと思います。

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●浴槽
おなじみの3つの浴槽です。右が48度、真ん中43度。左に関しては、よくわかりませんが40度程度だと思います。ちなみに、自宅の風呂を48度にして挑戦してみましたが、熱くて入れたものではありません。

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●総評
地元の方は、いとも簡単に入浴されますが、ビギナー(4回目)の私達にとり、右側の48度の湯船は勇気とスキルが必要でした。それでも、覚悟を決めて入浴を重ねると徐々に肩まで浸かることができるようになります。その後は、中央の43度の湯などぬるいぐらいで屁の河童です。年期と気合が必要なお湯に感謝感激です。

私が温泉を巡る楽しみの一つは、地域の老人からお話を伺うことです。村祭り、神社、戦争、遊びの話などなど・・・・。
この素晴らしい地域の憩いの場は、絶対に後世にも残して欲しいと思います。そして、大正、昭和初期のおじいちゃん方から、本当の幸せがあった当時のお話を伺い、昔を噛みしめて懐かしみ昔から学びたいと思うのです。急がねばなりません。「温故知新」

泉質 ★★★
宿泊 立ち寄りの為レポートなし


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犬の慢性血尿2(移行上皮癌の疑い) [News]

●ラム ♀ 12歳 シェットランド・シープドッグ
「4か月前から血尿と頻尿が続く」「耐性菌ができたのでは?」とセカンドオピニオンを求めて来院されました。
早速、陰部を拝見すると血尿らしきものが付着していたので、身体検査後に超音波検査を行いました。

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●超音波検査
今回のケースでは、既に膀胱のほとんどが侵され、片側の@尿管の腫瘍浸潤あるいはA膀胱三角部の腫瘍による閉塞により閉塞が起こり水腎症を発症していることが考えられました。

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      上は膀胱内でカリフラワー状に育った腫瘍です。
      下は尿管閉塞による水腎です。

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●移行上皮癌
細胞診の結果、移行上皮癌を最も疑いました。
下部尿路における悪性腫瘍は全体の1%といわれ、その中でも移行上皮癌が最も発生率が高いといわれます。
移行上皮癌は、シェットランド、シーズー、ビーグルなどが好発犬種であり、発見された時点で既に激しく進行している場合が多くあります。早期に発見され、膀胱三角部(尿管が開口している部位)がおかされていなければ、積極的な膀胱切除により予後が良い場合があります。

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●外科手術の介入
膀胱を全摘出して、尿管を腸に移設する手術の選択肢もお話しましたが、年齢を考慮して出来るだけ痛み、苦しみの少ない生活を維持できることに重点を置く内科治療を選択されました。

よって、最終診断である膀胱から組織を採取し病理検査を行うことは望まれず、その費用を内科治療に回すことになりました。

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