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犬の自己免疫性溶血性貧血2 [飼い主さん感想文]
●クッキー ♂ ダックス 9歳
昨年夏に自己免疫性溶血性貧血と診断され、掛かり付け獣医師の下、治療していました。再発と治療を繰り返していることをブログに綴っていたところ、そのブログを見てくださった方から書き込みがありました。呉市の病院で同じ病気で完治した子がいるとのことでした。
広島市内から通院は遠いため、ためらいもありましたが、愛犬が元気になるなら、あわよくば完治できればと受診することにしました。
先生は、この病気の治療法が確立されていなことなど、今ままで知らなかった情報を医学書や資料、時には図を書いて丁寧に説明してくださいました。
また、不明な点は直ぐに専門書で調べて下さったり、他の獣医師に確認してくださったり。人間と同じでインフォームドコンセントをしっかりとしてくださり、動物とその飼い主に対する真摯な姿勢に感動し、是非先生にお願いしたいと思いました。
石崎動物病院にお世話になって4か月。自己免疫性溶血性貧血の症状は安定しています。また、甲状腺ホルモン低下症も併発しましたが、今では薬でコントロールできるまでになりました。
一時期、同時に肺炎を起こして吠える事さえできず、息荒く横たわる姿に涙しましたが、犬が犬らしく元気でいる今が嬉しくて仕方ありません。院長をはじめとする先生方、そしていつも優しく愛犬や飼い主に声を掛けて下さる看護士さんに感謝です。
まだ暫くはお世話になりますが、今後も宜しくお願いします。
追伸;年末、愛犬と一緒に宮古島へ行けますかネ?
●院長から
遠方から毎週お越しいただき有難うございます。折角いただいたご縁ですので、我々のできる精一杯の治療をさせていただきました。我慢強くお付き合いいただいた結果、血液量は正常に復しました。多少説明が前後したようですが、正しくは、自己免疫性溶血性貧血だけでなく、甲状腺機能減退症があり、その影響で巨大食道となり誤嚥性肺炎を併発したのでした。その後、ホルモン剤の投与で今までにない表情と活力を取り戻すことができたのです。
追伸の件:飛行機に乗ることはまだお勧めできませんので、年末は宮古島でなく宮島参拝にして下さいネ。
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副腎皮質機能亢進症 [院長ブログ]
●14歳 ♂ Mix
初診は、肘の傷でした。肘を拝見しながら思ったことは「お腹がやけに大きく、ハアハア呼吸をする」ことでした。気になるので超音波機器によって腹水、副腎、膀胱を中心に検査させて戴きました。結果は、腹水(-)両側副腎腫大、膀胱炎(尿検査も行う)が見つかり、副腎皮質機能亢進症(クッシング病)を強く疑うことになりました。
●副腎皮質機能亢進症(クッシング病)とは?
この病気は、副腎から分泌されるホルモンの一つであるコルチゾールが過剰に分泌されることにより様々な症状を引き起こす病気です。特徴的な症状は、多飲、多尿、腹部膨満、筋肉が弱る、感染症(膀胱炎、傷が治りにくい)、呼吸速迫などです。
●原因
下垂体依存性(85%)副腎皮質腫瘍(15%)またコルチゾールが分布される定型型と性ホルモンが分泌される非定型型に分類されます。非定型型に分類されると診断が大変で、17-ヒドロキシプロゲステロン、プロゲステロン、エストラジオール、アンドロステネジオン、アルドステロンなどを測定しなければなりません。
●診断
診断には、上記の特徴的な症状と、超音波、尿、血液、ホルモン検査(上記)を行う必要があります。
*超音波による副腎の計測では正常値の>7mmを越えていました。
●経過
治療を始めて2か月。定期的な血液検査を行いながら投薬量を決定しなければならないことは大変ですが、来院当初と比較するとお腹が小さくなり、呼吸が落ち着き、飲水量が減り、元気になったと喜んで戴いています。
早期診断の為に普段からの様子に気をつけましょう!
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急性膵炎による胆管閉塞 [院長ブログ]
●主訴
「食欲低下。数回の嘔吐、下痢は無し。」で来院されました。血液検査では、重度の黄疸がありましたが、溶血、貧血はなし。肝酵素、C‐反応性タンパクの著しい上昇がありました。黄疸の鑑別をするために、肝臓、胆嚢の状況を次の超音波検査で調べることにしました。
●胆管閉塞
胆嚢と、大きく拡張し蛇行した胆管が異常を示しました。この状況は、胆石、腫瘍、膵炎などのよる閉塞が考えられます。
●膵臓
12指腸の下側に見えるのが膵臓です。著しい炎症像は感じられませんが、黒く見える部分は組織壊死の可能性があります。膵炎の特異検査の提出を急ぎました。結果は、急性膵炎強陽性でした。これより、炎症を抑える点滴療法と食事療法を開始しました。
5日間は、黄疸が改善せず炎症の数値も高値でしたが、6日目からは改善傾向になりました。
●まとめ
急性膵炎の特徴所見は、上腹部の痛み、消化器症状(下痢、嘔吐)です。今回は、消化器症状はほとんどなく、数日間の食欲不振でした。常に教科書通りに病気が出現する訳ではないことを認識し、広い視野で病気を絞り込んでいかなければなりません。(だから大変なんですね〜!)
8日後のロッキーちゃんです。見た目の黄疸は無くなり、食欲も通常通りになりました。3日後の退院を楽しみにしています♪。








