広島県呉市「石崎動物病院」

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犬の総胆管の閉塞 [News]

●プードル ♂ ケン 7歳
「いつも凄く元気なのに突然勢いがなくなった・・・」の主訴で来院されました。身体検査では、発熱、黄疸、脱水。血液検査では、著しい炎症、肝酵素異常、白血球増加がありました。急性膵炎を仮診断し、点滴に蛋白分解酵素阻害剤を混ぜて投与することにしました。

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●超音波所見
総胆管のサイズは、犬<3mm(通じ生みえない)猫<4mm(通常見える)です。ケンちゃんのサイズは4.5mm有りました。総胆管の閉塞は、膵炎、胆管結石、腫瘍などが考えられます。早速、調べた膵炎の検査値は正常でした。となると胆嚢内で影を引く結石らしき像が気になりました。

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●治療変更
急性膵炎を仮診断して進めていましたが、特異検査では結果は陰性でした。次に総胆管閉塞を考慮して、胆嚢の収縮を促進する薬に切り替えました。

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●2週間後
肝酵素、炎症、黄疸値が全てが下がりつつあり、普段と変わりない状況になりました。胆管サイズも正常にもどり、胆嚢内の結石らしき像はなくなっていました。引き続き超音波で経過を追いながら完全回復まで定期的に来院いただく予定です。

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猫の好中球性胆管炎 [News]

●主訴は「突然の元気、食欲なし」でした。身体検査では、発熱、呼吸速迫が気になりました。血液検査では、

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●胆管炎の分類
猫の炎症性肝炎は、好中球性、リンパ球性に分類されます。また、犬とは異なり炎症性腸疾患、膵炎の3つの炎症と関連があるとも言われます。確実な診断は、肝臓生検(肝臓の一部を採取して病理検査)ですが、胆汁採取から得られた情報から仮診断して抗生剤を投与して反応を見る方法もあります。

●超音波検査
胆嚢の拡大、胆石、胆汁、胆泥なし。
超音波ガイド下で胆汁採取を行いました。

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●胆汁採取
採取した胆汁は、細胞診と培養(嫌気、好気)検査に提出しました。培養検査には時間を要するので、その間、院内で検査可能な胆汁をグラム染色、ギムザ染色を行いました。その結果、陰性桿菌を認めたため、抗生物質の静脈投与を開始しました。高熱(40.3度)は、翌日には平温(38.5度)に復し、食事を少しつまむ程度に回復しました。

●治療
好中球性胆管炎の治療は、抗生物質を4−6週間投与します。その他、胆汁排泄促進剤、SAMe、シリビンなどを併用します。


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関節液の検査 [News]

●柴犬 ♂ 年齢不明(拾ったので)義経
「3日前からお座りするのを嫌う、そして、座るまでに時間がかかる。しかし、散歩はいつも通り1時間している、食欲、元気はある。」との主訴でした。触診すると際立った異常は感じませんでしたが、右足が左寄り過敏に反応することが気になりました。一応、骨折、関節炎を考慮してレントゲン検査をさせていただくことになりました。レントゲン検査は異常なし、しかし、血液検査で急性炎症状態を示していたこと、発熱があったことで免疫介在性関節疾患などを考慮して関節液採取を追加しました。

●関節液の採取
この写真は膝の関節液を抜いているところです。踵、肩、肘、手首、股の部位の毛刈りをして滅菌処置を施してから関節液を抜きます。

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●細胞診
各関節から抜き取った関節液を押し広げて染色しました。

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結果は、有核細胞が著しく上昇し、ほとんどが好中球(白血球の一部)でした。原因は免疫介在性あるいは感染性関節炎に絞り込むことができました。

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●細菌培養検査
細菌感染を診断するために培養検査へ回します。

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●鑑別診断
細菌感染が除外されたら、さらに免疫介在性多発性関節炎を分類しなければなりません。

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