猫の角膜穿孔 [News]
●たま 茶トラ 10歳 ♂
角膜潰瘍で他院にて処置していただいたが、目を離した隙にカラーが外れ、目に穴が開いてしまったと来院されました。
マルに囲まれた部分が穿孔創です。角膜が破れているため、涙が常にこぼれ落ちていました。その穴は、約3mmの円形で虹彩が癒着していました。既に片側は、外傷で失明した状況です、なんとしても治ってもらいたいと思います。
●結膜弁2週間後
結膜から移植弁を作成して、その穴を覆い縫合しました。
2週間後の経過は、幸い感染がなく、前房を形成することができ、視力も維持できていました。

前房が確保され、角膜浮腫も綺麗になりました!
まったく触らせてもらえなかったので、途中経過が観察できず、検査、処置には鎮静が必要になりました。角膜縁に出来た穴の為、瞬膜が邪魔をして縫合に難を要しました、もし出来が悪ければ次の手段をと不安を持ちながらでしたが、2週間後の結果にホットしたケースでした。
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7月のセミナー案内 [大和臨床研究会]
随分と暑い日が続きます。皆様に於かれましてはお変わりありませんか?
さて、前回と同じく麻酔セミナーですが、外気と同じく熱い気持ちで臨み、実りある受講にしたと思います。万障繰り合わせてご参加ください。
日 時 7月27日(日曜日)
場 所 ビューボート呉 4階
時 間 午後 10時〜15時
講 師 佐野先生(酪農学園大学)
参加費 無料
テーマ 生体モニターをいかに使いこなすか?
参加資格
今回はオープンセミナーで無料になっていますので、会員外の先生も遠慮なくどうぞ!多くの参加が予想されますので、定員になり次第締め切りさせていただきます。
セミナーはアットホームな雰囲気で楽しみながらご参加いただけます。会員資格は、一度でも参加されれば以降会員資格となりご案内をお送りします。年会費は不要ですので、お気軽にご連絡ください。皆で楽しく勉強しましょう!
大和臨床研究会事務局 0823-21-4175 あるいは「お問い合わせ」から
猫の難治性皮膚疾患(不良肉芽) [News]
●ガラ 三毛猫 ♀ 年齢不詳(約2歳)
●咬傷
初発は、咬傷による化膿から始まりました。いつも通り切開、洗浄、膿の排出処置を行いました。
●切開、洗浄
皮膚切開を行うと、その化膿は広範囲に深い部分へ及んでいました。
●排液装置
●1か月後
治癒不良。基礎疾患が存在する可能性を考慮し、副腎皮質機能亢進症、細菌感染、アレルギーの除外検査を行いました。
●2か月後
通常、湿潤療法を行うと肉芽(赤い部分)増殖と皮膚の再生が進み傷が治癒しますが、今回は、その肉芽がいくら待っても再生が弱く、上皮が再生されず治癒が起こりません。
●6か月後
上記の検査をクリアーして、湿潤療法を続けて何とかこぎ着けましたが、ここからがなかなか治癒に向かいませんでした。
●完治
治療のアプローチを変更し(皮膚科医の助言)完治に至ることができました。スタッフ一同、感慨にむせぶ瞬間です。
●めでたく退院
長かった闘病生活を終え、晴れて飼い主さんの胸へと言いたいところですが、ほとんど病院の猫と言って良いほどに馴染んでいたので感動の退院にならなかったのは飼い主さん共々残念でありました。
ガラちゃん元気でね〜。もう喧嘩しないでね。