猫の紐状異物 [News]
●雑種 4歳 ♀
「内視鏡で異物を取って欲しい」のリクエストで来院されました。ハムを包む紐を飲み、一部は嘔吐で出たが残りがまだ存在するとのことでした。翌日に、レントゲンで異物らしくものを確認しました、しかし、気かかりな点は「腸が集まっている像」でした。「腸の集塊」とは、紐状の異物を飲んだ際に起こる状況で、消化管に入り込んだ紐が引っ掛かり、その張力により腸がアコーデオンの様に重なってしまう状態で、放置すると腸の血行障害、断裂が生じます。
●内視鏡処置
心配しながら、まずは内視鏡で胃内にアプローチしました。飼い主さんの言われる通り、胃のTV画面には網らしき物を認めました、大型鉗子で引っ張るも抵抗感があり、まったく動く様子がありません、無理に引っ張れば裂傷を生じる可能性があるため、開腹手術へ移行させていただくことにしました。

●紐に牽引される小腸
小腸内の紐と胃内に残る紐が引っ張りあい、アコーデオン状に集まっている姿が見えました。幸い太い紐であったために腸管の断裂は免れました。
●紐のリリース
摘出後の腸には、多少のダメージが残りました。腸管が一部赤く変化しているところです。牽引状態が長時間に及ぶと生死にかかわる状況になります。
●摘出物
犯人は、まさにハムを包む紐でした。腸管のダメージが軽度であったため速やかな回復が望めます。
私見ですが、猫に紐状異物による誤飲が発生するのは、猫の舌の中央には、尖った針状の返しがついているのが原因と思います。いったん紐を舐めだすと、手で引っ張り出すこともできず、後戻りできない状況に陥りるのではないかと思います。
猫ちゃんの側には、裁縫道具などを置かないよう普段から注意しましょう、そしてもし誤って飲んでしまっても、無理yり引っ張り出さないようにしましょう!
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愛犬を救った治療 [飼い主さん感想文]
●ティアラ 13歳 ウエスティ ♀
我が家の愛犬、12歳の女の子です。
昨年6月に喉がジィジィと言っているのに気づき、かかりつけの病院で診察していただいたところ、老化なので仕方がないとのこと。何の手立てもなく諦めるのは不本意なので、違う病院へかかりました。診察の結果、気管支炎とのこと。2週間毎日通院しました。その後も2-3日に一度通院し、注射と薬で様子を見ていましたが、容態は「激しく身体を揺らしながら体全体で呼吸する」厳しい状態になり、最悪の覚悟をしなければならないと思いました。そんな時に、友達から「面白い療法を受けたよ!」と連絡がありました。その友人の子は2-3日間激しい下痢が続いていたのですが、その治療をしたら「その日のうちに普通の便になったよ」とのことでした。「我が子も是非してもらいたい!」とすがる思いで受診しました。
身体検査、血液検査をし、現在の状態を把握していただき、治療は振動療法を希望しました。まずは、身体の経絡を調整し、次に其々の臓器を調整して正常に戻してしていくものでした。友達の犬は元気になったという事実はあったけれど、これで元気になるの???と半信半疑でした、しかし、治療後には目が輝いてきた気がしたので、効果に期待できると予感しました。
問題は山積で、気管だけでなくあらゆる臓器が弱り、長期戦を余儀なくされるとのことでした。一方、薬の処方はなく、その後も余程のことが無い限り出されませんでした。そして、週に1度の振動療法が4ヶ月続きました。その間、先生からは食の大切さ、生活環境の見直しを教えていただきました。食事は先生のお勧めのもの、彼らが求める本来の内容に変えていきました。すると肥満だった身体がスリムになり理想体型に、そしていつの間にか毛艶も良くなっていることにも気づかされました。
今では振動療法は、1ヶ月から3ヶ月に一度続けています。あれほど元気がなかった我が子が、今では診察台の上で動き回る様になり、エネルギーが充実してきているのがしっかりと分るようになりました。何より元気に散歩もできるようになり、目の輝き、身体の動きを見て「元気になったね〜」と声を掛けてもらうことが多くなりました。
振動療法は、長い目で見る治療だと思いますが、我が家の愛犬がこんなに元気になっているのが効果の証です。
これからも石崎先生、お世話になります。どうぞ宜しくお願いします。
犬の耳端部僅かな損傷 [News]
●イタリアングレーハウンド 2歳 ♀
先日、腹腔鏡下で避妊手術を行いましたが、今回は「5日前から、耳の端が切れて血が止まらない」主訴で来院されました。
●耳端からの出血
小さな損傷ですが、一旦止血されても、頭を振り患部をぶつけることで再び出血が始まります。
飼い主さんが応急処置でバンドエードを装着されました。しかし、先端部を強く保護してやらないと、耳先をぶつけて再び出血が始まります。大量出血ではありませんが、長期継続すれば貧血も発生します。できるだけ早く止血しなければなりません。
●処置、治療
先日の血液検査では異常はありませんでしたが、念のために血液を止める役割を果たす血小板数と血液凝固因子の異常を探る検査(PT.APPT,Fib)を再測定しました。結果は、血小板、凝固系共に正常、また身体検査での出血傾向もないため、先端部の止血と耳の固定を行いました。