猫の心不全、動脈血栓塞栓症、リンパ腫 [院長ブログ]
●ミーコ ♀ 猫
「突然後足が立たなくなり、機嫌が悪くなった!」と慌てて来院されました。身体検査では、起立不能、呼吸速迫、後肢冷感が顕著でした。動脈血栓塞栓症を疑い、股動脈の触診、心臓の超音波検査、胸部レントゲン撮影に移りました。
●血栓塞栓症
左心不全があるために血栓が大動脈に飛んで栓塞し、後躯(後足)麻痺になってしまったようです。緊急に血栓を溶解し、血液凝固抑制処置を行いました。
●リンパ腫
心臓検査の為に胸部レントゲン撮影を行うと、胸の中心部に塊状病変(矢印)が見つかりました、上記血栓処置を行って数日後には、全身のリンパ節が大きく腫れあがってきたため、リンパ腫と仮診断しました。数日後から生薬によるリンパ腫の治療も合せてスターとしました。
●両室(左右)心不全と胸水
超音波検査では、左右の心臓の著しい逆流と胸水が見られました。
●予後
一旦帰宅するも、5日後に再度閉塞が起こりました。同様の処置を行い、速やかに開通、しかし、昨日、急に呼吸が早くなったため、レントゲン撮影を行うと多量の胸水が発見されました。胸の両サイドにチューブを留置する緊急処置をおこないました。左右50mlづつ胸水が抜けました。
問題点が多い現在、予断を許さない状態ですので入院は継続中です、幸い食欲旺盛、2度目の閉塞した足も開通を維持、早く帰宅できることを願って看護していま(愛)。
1周年を迎えました! [飼い主さん感想文]
いつもお世話になっております。8月18日で通院1年が過ぎ、ハナも少々肥満気味ですが、元気になりホットしている毎日です。
1年ちょっと前頃から水を飲む回数(量)が増えたと思ったら、食事をしなくなり、寝てばかり。ある時、急に足がふらふらし歩けない状態になり、これは普通ではないと、罹りつけにに行き即入院。3日ほど点滴をするも数値は良くならず、はっきりどこが悪いと言って戴けなかった気がします。
納得いかないので、このままじゃ嫌だと考えた結果、石崎先生の所へ連絡しました、遅い時間に関わらず診察して下さいました。直ぐに検査(触診、エコー、血液)となり、結果は腎臓が悪く尿毒症になっていると言われ、ハナの元気のなさと重なり、どうしようかと不安に思うばかりでした。
それから、直ぐに点滴を長時間してもらい、初めて耳にする「振動療法」の説明を聞き、その治療も受けました。最初は、説明の意味もよく分からず半信半疑でした。
其の後、毎日通院して食欲も元に戻り、しっかり歩けるようになっていったのです。もう一つ、「電磁波障害」「酸化」の怖さを知り、その排除の方法を教えて頂きました。今は、3週間位に一度の振動療法に通っています。
最後になりましたが、看護師さんのナナに接するときの優しさも心に沁みました。今後もお世話になると思いますが、宜しくお願いします。
実習生感想文 [院長ブログ]
石崎院長先生を始めスタッフの皆様五日間ありがとうございました。お忙しい中実習を受け入れていただき、また多くのご指導賜わり感謝申し上げます。
大学の実習とは異なり、実際の現場で実際の症例をもとに学べる動物病院での実習は、とても充実したものとなりました。
これまでに座学で学び詰め込んできた知識を総まとめしているようで、毎日が様々な教科の復習と予習の繰り返し、といった様な内容の濃い日々でした。その中でもとくに獣医師は、常に物事を客観的に見極めながら対応していかなければならない、という事を学ばせていただきました。
動物病院の獣医師は、客観的に物事を見極めながらオーナー様の主訴をじっくり聴いて診察を進め、周りのスタッフにも迅速かつ的確な指示を出し、検査結果をもとに診断および治療方針を決めた上で、症状や病態とを関連づけながら説明を行わなければならない。
そして何よりも、痛みや不安を抱えている動物やオーナー様に対して親身に接しながら信頼関係を構築し、十分に理解および納得してもらえる良質な獣医療の提供を心がけなければならないと強く感じました。
さらに、院長先生を中心とした周りの先生や看護士の方々の真実・正直・愛のあるチームワーク獣医療もとても勉強になりました。
大学での臨床科目はこれから本格的に始まるので、実際の臨床現場で経験したことを糧に、これからも勉学に励み国家試験合格目指して努力していきたい思います。
改めて、今回実習を受け入れて頂いた院長先生および指導して下さった先生やスタッフの皆様、五日間ありがとうございました。
北里大学獣医学部獣医学科 中田浩美







