広島県呉市「石崎動物病院」

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2010年03月27日(土)

外科:猫の乳腺腫瘍 part2 [News]

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●乳腺腫瘍
猫の乳腺腫瘍は、犬と比べると発生数は少ないのですが、80%が悪性です。一般的には、摘出後に抗がん剤療法を行うとされますが(当院では、ご選択いただきます)、このミーちゃんの場合、全く我々に触らせません。そして、いったん怒り出すと手がつけられなくなります。

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●胸部レントゲン
腫瘍の摘出手術前には、必ず胸のレントゲンを撮影します。もし、肺への転移が見られた場合には、腫瘍が破裂していない限り摘出手術は行いません。
上下の胸部レントゲン写真では、肺に転移像は認められませんでした。
上の写真の右側、下の写真の下側に白く丸く見えるのが乳腺部の腫瘍です。

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●片側乳腺全摘出術
乳腺腫瘍は局所に一か所の発生でしたが、猫の場合には、ほとんどが悪性の為、リンパ節を含めて片側すべて摘出しました。

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●腋下リンパ節
脇の下にあるリンパ節です。やや大きくなっているのが気がかりですが、病理検査を待ちたいと思います。


●7日後の病理結果
予想どうり悪性の乳腺癌でした。
切除範囲は、完全で、軽度に腫大していたリンパ節には、転移がみられませんでした。しかし、猫の場合、悪性度は中等度で腫瘤も限局性でリンパ節への転移も観察されず、悪性度が低い乳腺癌であっても高率に転移することから、切除後も転移には十分な注意が必要です。ちなみに、10日後の抜糸は無事に終わりました。

●感想
犬、猫ともに、そして、悪性、良性にかかわらず、腫瘤をいかに小さな段階で発見して、そして、速やかに摘出することが肝(きも)になります。残念ながら、今回のケースは、かなり大きくなっていました・・・・。
最も大切なことは、腫瘍を発生させない体づくりですが、それには、飼い主さんの接し方、食事内容、性格を把握した対応をしなければなりません。まずは、元気なうちからご相談ください。

09時56分


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