広島県呉市「石崎動物病院」

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2010年12月04日(土)

全耳道切除術 part 3 [News]

●ゴロー 柴×シェルテー 3歳

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多くの外耳道切除術は、中年以降で行うことが多いのですが、この若い年齢では珍しい例です。慢性外耳炎で耳道が肥厚し内科治療が不可能な状態になって1年が経過しています。以前より手術をお勧めしていましたがようやく飼い主さんの重い腰が上がりました。今回のケースは、慢性外耳炎にロウ管(膿が溜まり排泄の管が出来上がること)が2か所出来あがっている重症な状況でした。原因は、耳道の一部が破れて膿が漏れ、2カ所の重力で作られた排泄路が形成されています。

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●全耳道切除術
この手術で一番気を使うのは顔面神経の保護です。耳道奥深くの腹側に位置しているのですが、とても見づらく耳道が肥厚しているとなおさらです。
また、今回は耳道の破れた部分も探さなければならず大変でした。慎重に剥離を進めると垂直耳道から水平耳道に移行する部分に亀裂を発見しました。ちょどその場所の下に顔面神経が絡んでいたので厄介でした。癒着の剥離に充分時間をかけ、慎重に行いました。排液チューブは通常1カ所ですが、この度は4カ所の設置になりました。

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●肥厚した耳道
耳道が石の様に固くなってしまうと薬ではどうにもなりません。手術をお勧めして1年以上になりますが、耳を取るとなると覚悟が必要です。ここまでの対症療法代を考えるともっと早く手術をしていれば、飼い主さんもゴローも負担が少なく幸せだったと思いますが・・・・。
まあ、これで煩わしい日々から解放されます。ゴロー良かったね!


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21時07分


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