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2008年10月11日(土)
短頭種気道症候群について [News]
お仲間紹介の「サンシャイン・ロクちゃん」で、この話題を出しましたが、皆さん、どうも軽く考えていらっしゃる様ですので、今回は、短頭種気道症候群について、少し詳しくお話します。
シーズー、パグ、フレンチブルドック、ボストンテリア、ペルシャ、ヒマラヤン猫などの鼻の短い種類を短頭種と言います。これらの動物は、鼻の孔が生まれつき狭い、あるいは、ノドちんこが先天的に長い状態が、しばしばみられます。その状況を放置していると、気道の抵抗が上昇し、息を吸うときに陰圧が高まり、ノドちんこを引き伸ばし、ノドちんこが伸びると、さらに気道抵抗が上昇し、喉にある小さな袋が反転し、さらに、陰圧が高まり、喉の軟骨が引っ張られ、最終的に喉の軟骨が虚脱して呼吸困難に陥ります。
●鼻腔狭窄
鼻の穴が狭くなっています。
レーザーあるいはメスで鼻の穴を大きくします。
鼻の奥まで広げることがポイントです。
●軟口蓋過長
喉チンコが長くなっています。
吸気時に長い喉チンコが振動して大きな音を発します。
甲状軟骨部と接する部分で余分な粘膜を切断します。
●小嚢外反
喉の奥に存在する喉頭小嚢が外へ反転します。
まずは、鼻腔狭窄、軟口蓋過長の手術を行います。
それでも、もとに戻らなければ、小嚢を切除します。
●喉頭虚脱
喉頭が虚脱状態になり、開閉できない状態です。
ここまで、進行すると重症です、まともに呼吸ができないため、とても苦しい状態です。
まずは、鼻腔狭窄、軟口蓋過長の手術を行います。
それでも、治らなければ永久気管切開術を行います。
飼い主さんへ!
以下の項目をチェックしてみてください!
●まずは、鼻の孔をのぞいてみてください。
ちゃんと穴があいていますか?
ふさがって、線状になっていませんか?
●次に呼吸音に耳を傾けてください。
吸気時に、喉から音が出ていませんか?
いびきをかいていませんか?(★いびきは病気ですよ〜!)
口をあけたまま、音がでれば、それは異常です!
●運動をさせた時に観察してください。
大きな音をたてて呼吸していませんか?
呼吸が浅くなり、苦しそうにしていませんか?
舌の色は悪くないですか?
●ご飯を食べる、水を飲む時の変化を見てください。
苦しそうにしませんか?
むせるような仕草はありませんか?
●進行すると食道炎が発生します。
原因不明の嘔吐はありませんか?
●陰圧が高まり心肥大、肺水腫、裂孔ヘルニアも発生します。
この種の病気を持つ動物は、同時に気管の低形成を伴う場合があります。これは、胸部レントゲン写真で診断できます。この病気を持つと、肺に食べ物が誤って入って肺炎を起こしやすくなります。残念ながら、気管低形成の改善手術はありません。
気管低形成がない場合には、早い段階で処置を行えば怖くない病気です。
鼻の短い動物を持つ飼い主さんは、是非とも真剣に受け止めて、ご相談ください。
09時52分