高度最先端医療
動画 腹腔鏡による肝臓生検と胆汁採取 [高度最先端医療]
●肝臓の検査
肝臓の検査は、血液検査、超音波検査と思われている飼い主の方が多いのですが、肝臓の病態を把握するためには、肝臓そのものを見なければなりません。
つまり、肝臓の一部を切除して病理検査で判定する必要があります。
●腹腔鏡を始めた契機
私が腹腔鏡を取り入れたいと思った契機は、肝臓を正しく診断したいとの思いからでした。血液検査で肝臓の酵素(人間でおなじみのGOT,GPTなど)が上昇していれば肝臓が悪いと言われます。そして、食事療法、肝臓薬を処方されるのが通常でした。しかし、血液検査の値は、他の病気でも上昇し、正しく薬を飲むためには肝臓の状態を知る必要があるのです。
ということで、肝臓病を診断するためには組織検査を行う必要がどうしてもありました。以前は、お腹を開けて肝臓の一部を採って検査していましたが、飼い主さんの抵抗は強く、肝臓を取るだけの為に大きな切開をすることをほとんどの方が好みません。
なんとか、飼い主さんに検査に踏み切ってもらえる方法は無いかと考えたのが腹腔鏡を使用した検査でした。
「大きく切らないのであれば検査して欲しい!」飼い主さん曰く
8年前からは、5mmの穴2ヶ所で肝臓の組織採取と胆汁採取による細菌培養検査を行うことができるようになり、正しく診断できるようになり、また飼い主さんの抵抗感が少なくなったたことが何より嬉しく思います。
●数値、画像だけで判断しないで!
上記のとおり、血液検査だけで判断していけないことはお分かりいただけたと思います。超音波検査では、残念ながら映像での異常は分かっても診断はできません。
診断には、やはり組織検査が不可欠で肝臓を取って組織検査を行わなければなりません。
●肝臓は沈黙の臓器
見た目が元気であり、食欲があったとしても、血液検査で肝酵素が高い場合には、精密検査を行う必要があります。
後手に回らないために早めの検査を絶対にお勧めします!