院長ブログ
猫の好酸球性肉芽腫 [院長ブログ]
●るみ ♀ 8歳 日本猫
「足先に穴が開いて膿が出ている!」主訴で来院されました。「外出しない、他に5匹いるが喧嘩することもなく原因が分からない、どうしてか?」と質問されましたが....先ずは、麻酔下で処置をさせていただくことにしました。
●咬まれ傷?
第2指と第3指の間に1o程の穴があき、そこから膿が出ていました。膿を採取して検査すると、主たる細胞成分は好酸球がほとんどを占めていいること分かりました。また、通常の喧嘩による咬傷と比較して、周辺がぼこぼこと腫れ上がっている様相から、組織検査を同時に行いました。
●病理検査
コラーゲン線維の融解を伴う好酸球性炎症、つまり好酸球性肉芽腫でした。この病気はアレルギーが病因と言われますが、真の原因は不明とも言われます。好酸球肉芽腫は、口唇に認めることがときどきありますが、足先にできることもあるのです。今回は、最初から単なる咬まれ傷ではないと疑っていましたが、治りが悪い場合には、精密検査(病理検査)が役に立つことがあります。
●10日後
腫れと潰瘍がほぼ治まりました。
犬の重度アカラス症 [院長ブログ]
●シーズー ♂ ハナ 8歳
「3年前から皮膚病が治らず徐々に悪化する。」主訴で来院。
飼い主さんもハナちゃんも相当疲れている様子です。気合を入れて治癒につなげたいと思います。
●著しい皮膚病変
長期経過した皮膚は著しく赤く肥厚し、腫れ上がっていました。僅かに駆血するだけで足先から血が噴き出す状況です。
足の裏は肥厚により個々の指が繋がったかのような状態に陥っていました。皮膚の掻把試験を繰り返し、皮膚の毛包に寄生する「アカラス」を発見しました!
●治療
@殺ダニ治療
A免疫増強療法
B抗生物質
Cシャンプー療法
特に@は、肝臓の状態を観察しながら治療を勧めなければなりません。長いお付き合いになると思いますが、完治を目標に全力で治療に臨みたいと思います!
●経過(3週間後)
痛みと痒みがとれ、歩けなかった状態が走れるまでになりました。
足裏は、まだまだ腫れていますが、赤みが随分軽減しています。
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猫の虹彩メラノーマ [院長ブログ]
●アメリカンショートヘアー ♂ 15歳
「結膜に何かできている気がする」主訴で来院されました。
以前より緑内障で治療中でしたが、普段からから結膜を見る習慣が備わり、今回の変化に早い段階で気が付かれたようです。
まずは、病理検査の為にサンプル採取案も浮上しましたが、もし悪性腫瘍(メラノーマ)であれば再度麻酔をかけて眼球摘出を行わなければならないこと、慢性緑内障で眼圧が高く、いやいやながら点眼を毎日おこなっていることを考慮して、試験的に眼球摘出を行うことにしました。
●術後
外観は、残念な状況でありますが、いたしかたありません。
翌日からは、食欲もあり安心しました。
●病理結果はメラノーマ
数日後の病理検査では、虹彩メラノーマ(悪性黒色腫)と診断されました。結果的に積極的に眼球摘出を決断して良かったと言えます。眼球摘出を行ったので病変の完全摘出につながり、予後は良好といえます。
今後のケアーは、抗癌剤は使用せず、免疫増強療法を行う予定です。















