小さなシコリも、疑いを持って検査を! [院長ブログ]
実は、「お尻の化膿」でご依頼いただいたのですが、その化膿の横に3mm程の「とても小さな膨らみ」を発見しました。そのお尻の膨らみは、喧嘩の跡?と思える程度でした。念の為に皮膚穿刺をして検査を進めると「肥満細胞腫」でした。
肥満細胞腫は、腫瘍のひとつで、猫ちゃんの場合には頭部によく見られ(45%)ます。
ということで、頭部も細かく検査を行うと、耳に小さな膨らみがみられました。
同じく肥満細胞腫でした。
●肥満細胞腫とは?
肥満と聞くと、太りすぎのイメージですが、特に太っていることとは関係なく、身体には、肥満細胞と言う免疫に関与している細胞がいます。その細胞が腫瘍化することによって発生するものを肥満細胞腫と呼びます。特に6歳以上の猫にみられます。また、皮膚型と内臓型に分けられています。
お尻と尾の間、2箇所に咬まれた傷が見られます。
後ほど、切開して排液チューブを3箇所設置。
毛刈りを進めると、小さな腫瘤発見!
(まん中の丸い塊)
検査後、肥満細胞腫と診断。
頭部を検査すると右耳の端に小さな腫瘤を発見!同じく、肥満細胞腫だった。
提出した病理結果は、「良性の肥満細胞腫」でした。
心配した脾臓の腫れもなかったので 一安心です。
しかし、これからの生き方が重要で、たとえ良性といえども腫瘍ができた事は、免疫力の低下が考えられます。生活環境を見つめ、免疫を強化する生き方に変更する必要があります。猫ちゃんの性格まで含めて、今までの環境についてコンサルテーションを行い、免疫増強のお手伝いを早急にしていきたいと思います。
シェリーちゃん頑張っています! [お仲間紹介]
熱中症と思いきや・・・ [院長ブログ]
本日、6か月のポメちゃんが来院されました。
日中、海へ一緒に連れて行ったそうですが、突然の異常に驚いて、急患で入られました。
多量のヨダレ、呼吸速迫、意識消失・・・。
熱中症と思いきや、体温は39.5度。「あれれ?そんなに高くないな〜?」
その後、詳細な身体検査、超音波検査、血液検査を行った結果、門脈体循環シャントの疑いが強まりました。これから、さらに、深い造影検査が必要です。
とにもかくにも、この暑い時期には、そして、日陰につないでいようとも、「高級毛皮をまとい、十分汗がかけない動物」は決して連れ出さないでください!
今年は、幸いにも、どなたも熱中症で来られていませんが、重々注意が必要です!
飼い主さんにとって、寒いぐらいに過ごす方が、彼らにとっては、快適だと認識ください。
門脈体循環シャントとは?(もんみゃくたいじゅんかん)
腸から吸収された栄養や毒素は、門脈という血管を通り肝臓で合成、貯蔵、解毒されます。しかし、この門脈から肝臓を通らず、あるいは、僅かしか通らず全身静脈へ迂回してしまうことが、先天的、後天的に生じたことを言います。毒素が全身へ回ってしまうため、ヨダレ、発作、一時的盲目などが起こります。
●このポメちゃんのCT所見は、後大静脈単一シャンとでした。
門脈〜後大静脈へ流れる迂回血管が見えます。
涙焼け(流涙症)について [よくある質問]
「涙焼け」をご存じですか?
白い毛色で目立ちやすいですが、黒い毛色の動物でも発生します。
原因は、涙管が閉塞あるいは半閉塞することです。
涙管は、涙の排液を行う管であるために、涙が眼から溢れ出て、その成分で眼の周囲が変色を起こします。
子供のころに著しい結膜炎を生じた猫ちゃんの場合には、涙管穴が閉鎖して存在しないこともあり、対応できませんが、涙点(涙管の穴)が存在する場合には、カテーテルを挿入して管の洗浄を行います。
眼の下方涙点から
前方に「ピヨ〜ン」と見えるのが閉塞物です。
上下に存在する涙点から、カテーテルを挿入して、それぞれを洗浄します。
そして、個々の穴と鼻から洗浄液が出れば処置完了です。
再発を繰り返すケースもしばしばあります。
虎之助復活! [お仲間紹介]
虎之助 6歳 ♂ ラブラドル
●性格 フレンドリー、ポジテブシンキングー!
●特技 ジャンケン、お出かけポーズなど各種。
●エピソード
僕は、3年前の9月、ブドウを少々戴いて、急性腎不全で死にそうになりました。回復まで約1ヵ月かりましたが、今は、嘘のように元気になりました。
現在、お食事は、狼食(生肉、生内臓、生骨)を戴きながらパワフル全開で〜す!
皆さん!ブドウは絶対に食べないように気をつけましょう!食べたら死ぬよー!








