シャリホツちゃん、その後・・・(その1)。 [院長ブログ]
●3月4日(水)晴れ
前回登場してシャリホツちゃんの脾臓の腫瘍摘出と不妊手術のための手術当日です。
前回は、心臓のフィラリアの虫体は、相変わらずいたのですが、循環動態に影響がないようなので、今回は、上記の手術のみを行う予定でした。
しかし・・・血液検査をしてみると、前回は正常ギリギリの値でしたが、今回は、さらに貧血が進み、正常範囲を下回っていました。尿検査を行うと、鮮血(2+)。溶血、黄疸がなかったこと、また、食欲元気ともに正常なことから、安心していましたが、急遽、手術を変更してフィラリア虫体を摘出する手術に切り替えました。
●これが、左心房から摘出したフィラリア虫です。雄3匹、雌2匹の総計5匹です。
ちなみに、メスの方が太くて長くて約30cm、雄は約10cm、細く短く、尾部がコイル状になって、これでメスを抱きかかえますorすがりつきます。人の世界と同じくメスの方が生命力があり、勢いを感じます(笑)。
無事に手術が終了し、2時間後に帰宅。
脾臓の腫瘍と不妊手術は後日になりましたので、次回ご報告します。
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眼科学セミナー出席 [院長コラム]
●3月1日(日)晴れ
大阪は千里センターで日本獣医臨床眼科研究会の症例報告および講演会がありました。
●症例報告の内容は以下のとおりでした。
・先天性視神経低形成
・オゾン療法
・自己血清療法
・多発性筋炎
・猫の義眼挿入術
・先天性強膜形成不全
●講演 日本大学 津曲教授
<犬の遺伝性眼疾患>
現在は、血液で遺伝性疾患が分かる時代になりました。
代表的には、進行性網膜委縮症、コリーアイ、遺伝性白内障などです。遺伝疾患の防止を行うには、やはり繁殖レベルで検査を行い、異常が見つかれば、繁殖を行わないようにするのが一番であり。繁殖前の遺伝子検査が最適とご指導いただきました。
●番外
久しぶりに大阪を訪れましたが、特に道頓堀の賑わいは、まったく不況を感じさせない、エネルギーで溢れていました。いつもお世話になる先生に、いつもの場所で、いつもの様にたらふく御馳走になり、勉強もできたし、幸せな一日でした〜♪
また、明日からがんばるぞー!
「付き添い」のはずが・・・。 [院長ブログ]
●2月16日
ヨークシャテリアのシャリホツちゃんは「年なので出来るだけ痛い思いをさせたくない。」「TVで見て、腹腔鏡による不妊手術が良さそうなのでお願いしたい。」と来院されました。
初診でしたので、まず全体の身体検査をさせていただきました。すると・・・「あれれ?」雑音が聞こえるではありませんか。早速、胸部の超音波検査へ進みました。
ここのところ久しく見てませんのでしたが、フィラリア虫体らしきものを発見!まさかとは思いましたが、ご覧のとおりです。
続いて腹部も検査させていただくと、脾臓の腫瘤が発見されたのでした。
●上下の写真で、左の白い点状に見えるのが、フィラリア成虫です。
●発見されたシャリホツちゃんの脾臓腫瘤です。
●付き添いで同行したモクレンちゃんも念の為に身体検査をすることになりました。そして、心配なので一応、腹部の超音波検査を行いました。すると、膀胱内に異常な像を発見!膀胱に針を刺して尿を採取し、検査した結果「多くのスツルバイト結晶」を認めました。
▲スツルバイト結晶とは、犬の膀胱結石の原因の一つです。
●白いもやもやした映像が膀胱内結晶です。
●早速、結晶を溶解する食事と抗生剤の投与を始めました。
下が7日後の超音波像です。以前は見るからに汚れていた膀胱でしたが、今回は、見事に綺麗な状態になりました。
●学んだこと
・・・と言うことで、無症状であっても、超音波検査をすることで、今回のような脾臓内の腫瘤、膀胱内結晶が発見されることがしばしばあります。
いつも、うるさいぐらいにお伝えしますが、定期的な超音波検査の大切さをどうか認識して欲しいと切に思うのです!
●心臓に虫が入ったままのシャリホツちゃんの経過は、次回お伝えする予定です。

シャリホツと付き添いのモクレン










