「愛する家族のために」 中国新聞コラム [院長コラム]
●広島の整形外科医の先生よりご紹介を受け、5月12日 中国新聞夕刊「コラム」に私の思いを掲載させていただきました。以下、全文です。
●「愛する家族のために」
[動物にも人間と同じ検査、手術を !」と思い立ち、日本の医学部、アメリカの獣医大学を訪ね、腹腔鏡下検査、腹腔鏡下外科手術を始めて6年が経過した。目的は、検査による確定診断と痛みの軽減である。
動物は痛覚も人間と同じだが、状況判断ができない分、不安感が高じて痛みに敏感になる場合もある。腹腔鏡手術の小さな切開創であれば、痛みそのものを大幅に軽減できる。腹腔鏡検査はわずかな切開だけで確実な診断に結びつき、飼い主の抵抗感も少ない。今後、人間の最先端医療が動物に応用されさらなる進化が期待される。
しかし、私にとって最重要課題は予防医学である。生体にとって一番大切なのは、病気にならないことである。そのためには、自己免疫力を低下させないことであり、食事がそれを可能にする。この小さな家族が肉食獣であることを忘れず、遺伝子に沿った食事を与えること。正しい食事は腸を労わり応援する。血行も大切。流が止まれば水は腐る。運動により血液を細部までしっかりと送り、老廃物を流し出す。
また、その無償の愛で飼い主の心をいやす反面、飼い主だけをみつめ寄り添う彼らは、飼い主の負のダメージをその身に受け取ってしまうことをも理解し、心のケアを忘れてはならない。今後、人間がどのような飛躍を遂げようとも科学の進歩を過信することなく、自然の摂理に従う動物たちの生き方を私達自身も見つめ直す時期がきているのではないだろうか。
広島県呉市 石崎動物病院 石崎俊史
島根県 千原温泉 [院長コラム]
島根県三瓶周辺にある千原温泉です。
私の好きな温泉のベスト2です。
●効能は、切り傷、火傷など皮膚病に良いとされます。
泉温、34.5度でぬるめです。
泉質は、含二酸化-炭酸ナトリウム-塩化物、炭酸水素塩泉。
飲水可とはされていませんが、奥の竹筒で温泉を飲むことができます。
私は平気で飲みやすく、思わず「うー効くー、もう一杯!」と発してしまうぐらいです。
●湯船底から、ぶくぶくと炭酸が吹き出ます。
このスタイルは、特に珍しいと思います。
●見よ!この歴史。
長い年月をかけて作られた、湯の花の結晶です。
「思わず、おー。これだよな〜!」と叫んでしまいます。
温度が低めなので、冬は結構厳しいです。
しかし、寒い時期には「上がり湯」が準備されているので、温まって出ることができます。但し、「上がり湯」は男女兼用で一人づつしか入ることができません。
●帰りはいつもの「ゆるり」でお食事を頂きます。
撮影を忘れ飛び付いた旬のワラビの巻物は、エネルギーがあって、とても美味しかったです。
●「タケノコも美味かったなー。」
●ブリ大根です。
ワラビの巻物と同じく、思わず手を出してから、撮影に気づいた次第です。
よって、食べている途中の影像で悪しからず。
●鱈腹いただき、満足、満足。
明日から、もうこんなには食べないぞーと神に誓い、2時間半の道のりを急ぎ早に帰宅したのでした。
もう少し、近ければ頻繁に足を運びますが、しかし、たまの贅沢が良いものです。そして、この恵みに感謝し、いつまでも三瓶周辺の自然が維持されることを願うのでした。Toshi
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17歳、八チ復活! 「年寄物語」その3 [院長ブログ]
「年寄り物語その2」
●年寄りに問題が生じると、飼い主さんは皆口をそろえて言います。
「もう、年だから・・・」と。
今回は、1年前より気づいていながら、いつもの「年だから・・・」
という理由で、大変な状態におちいった話です。
●ハチ 17歳 雑種 ♂
1年前に病院の身体検査にて胸部に小さな「でき物」を見つける。
針を刺して細胞を検査し、悪性腫瘍の疑いを告げる。
しかし、手術は、家に持ちかえって考えるとのことだった。
●その後、連絡が無かったが、1年後、「腫瘍が裂けた!」と突如来院する。
腫瘍は、1年前の10cmから30cm程に成長し、中心部分に穴が開き、出血と壊死が見られ異臭を放つ。
食欲が無くなり、歩くこともままならず。
●まず、脱水があったため点滴を行う。
貧血、低蛋白は、ギリギリの許容範囲だったので、点滴後、スタッフ一同と緊張しながら慎重に麻酔に入る。
●この部分は、皮膚に余裕が少なく、縫合が大変になる。
しかし、腫瘍を取り残す訳にはいかず、いっぱいいっぱいの皮膚の状況に、少し不安になる。何とか縫合終了。
縫合後、緊張を解除するために、細かい減張切開を施す。
●所要時間約1時間。無事切除完了。
術後に徹底した疼痛管理を行うために3日間入院。
食欲、元気共に回復し、飼い主大喜び。
「もっと早く手術すべきだった・・・!」といつものセリフをこの度も聞く。
●今回もいつもの「年寄り物語」でした。
1年前に切除していれば、これほど大きな傷にはならなかったと思います。今回は、腫瘍が大きくなった上に、傷口からの出血、蛋白漏出の悪条件も加わり、麻酔の危険性が増加していたのでした。
●お年寄りの動物を持つ飼い主さんへ
腫瘍は、見つけたら年だからと言って大切にせず、直に切除することを心がけましょう。
(特に12歳以上にこの傾向あり!)
様子をみて、どうしようもなくなった時に踏み切るのは、お気持ちは分かりますが、さらに年を重ね、さらに危険性が増しているということをご理解ください。
”いずれにしろ切除するのであれば、どうかお早めに!”
●追伸
先週無事に抜糸を終了しました。
貧血も改善され、食欲、元気も増加し、来院された当時の「もう年だから諦めよう・・・」と思った飼い主さんも、今では夢の様な思いだそうです。目出度し、目出度し。












