猫の肘関節脱臼と骨折 [院長ブログ]
●フク ♀ 4歳
2階のベランダから誤って落ちたそうで、他の先生から手術の依頼を受けました。通常、猫の肘関節脱臼は珍しく、2階から落ちた程度では、上手く着地し怪我がないものです。しかし、どうも着地した場所の足場が悪く、顎を強打し、両足の肘の関節が外れ、さらに右足は骨折も伴っていました。
●整復
先ずは、片側の手術から取り掛かりました。骨折はピンを挿入してワイヤーを掛けて固定する予定でしたが、骨髄が狭いため手技を変更してプレートを使用しました。そして、断裂した靭帯を補う為にネジを関節部分に挿入しワイヤーを掛けました。
●整復2
片側の肘は、さらに激しく脱臼していました。関節部分を元通りに合わせることにとても苦労しましたが、同じく関節を安定化させるために関節にネジを打ち込み、ワイヤーで結びました。
●術後
術後7日間では、ごろごろと音を発しながら、足先の屈曲ができるようになり、時折足先を着いて支持できるようになってきました。激しい脱臼でしたので、神経の損傷が気になっていましたが、何とかなりそうです。
頑張れフク(福)ちゃん!
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歯科(歯冠)治療 [飼い主さん感想文]
●ダックス 10歳 ♂
こちらの病院にお世話になる前、他の病院(動物歯科専門医?)で歯の修復手術をしてもらっていました。修復した歯はデリケートなので硬いものは噛ませないようにと指導され、よくよく注意していたのですが、術後3ヶ月で修復箇所が取れてしまいました。
はっきりとした原因は分からなかったのですが、再手術を勧められたため、不安が残りながらも2度目の手術を受けました。でも、やはり3ヶ月を過ぎた頃、取れてしまったのです。どう考えても自然に取れたとしか思えませんでした。
又、有無も言わせず再手術、そしてまた取れるかも・・・。そう考えると不安で再度同じ病院に行く気持ちになれず、ネットで色々調べ捜した所、少し遠いのですがこちらの石崎動物病院を見つけたのです。
診察をしてもらい、それまでの経緯も全てお話させていただきました。色々な意味で不安に感じている私たちの気持ちを先生はとてもよく理解して下さったので、相談しやすく、納得した上で再度手術をすることを決めることが出来ました。
手術に関して先生は「今出来る最高の手術をして今後また再手術になるような事がないようにしてあげたい」色々考えてくださり、その結果、先生の知人の歯医者さん(人間の)が立会って下さる事になりました。こんなにも親身になって考えてくださった事にとても感動しました。
そして手術は無事成功。
治療後の歯もとても綺麗で、見た目には分からないほどです。今のところ取れる様子もありません。
本当に今回の手術のことでは、色々と親身になって考えてくださってありがとうございました。ワンコの歯を治療できる病院は少ないため多くのワンちゃんが欠けた歯をそのまま放置させられたり抜歯されたりしているのを見かけます。そのたびに、治療できることもあるのに・・と思ってしまいます。
石崎先生にお会いしていなければこの歯は残すことが出来なかったかもしれません。せっかく綺麗に残していただいた歯なので硬いものを噛ませないように注意し、一生大切にしていきたいと思ってます。
本当に感謝しています。ありがとうございました。
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毎年起こる、恐ろしい熱中症! [院長ブログ]
●ボストンテリア、10歳、♂
今年もやってきました恐怖の熱中症!車の中で留守番をさせていた僅かな時間の出来事でした。飼い主さんが用をすませて車を開けてみると、既に倒れていたそうです。呼吸状態が悪く、血管を確保し、気管挿管、酸素吸入をおこないました。
●処置
体温は43度、急ぎ緊急処置です。しかし、注意しなければならないことは、急速に冷やし過ぎてはいけないことです。例えば、氷を当てる、水に浸けるなどの処置を行うと血管が閉まりかえって体温を下げることができません。点滴、水に浸したタオルで覆い風を送ることが大切です。
●DIC(血管内凝固)
熱射病の副作用で恐ろしいことは、血管内で血液の粘調度が急激に増加することにより凝固が促進し、血液を止める成分が不足してしまい全身性の出血が始まることです。
このDICを未然に防ぐことが治療のカギ(ヘパリン療法、抗炎症療法)です。
体温はゆっくりと時間をかけて戻すことができましたが、残念ながらDICを発生してしまい、お役に立つことができませんでした。残念です・・・・。
●お願い!
どうかこの時期に、車に閉じ込めたり、日中の散歩に行ったり、海に連れて行ったり、暑い部屋に置いたりすることがないようご注意ください。特に鼻の短い短頭種(ボストンテリア、シーズー、ブルドック、フレンチブルドックなど)は、体温が上がりやすいのでさらなる注意が必要です。














