ウサギの無菌性子宮蓄膿症 [News]
●超音波所見
「幸」5歳 ♀ 主訴は「間欠的血尿」
子宮の異常所見です。超音波画像では、液体が黒く映し出されるので液体が子宮角に貯留している像が分かります。時々の血尿と超音波所見から子宮の異常と診断し、開腹手術を決定めました。
●手術所見
手術手技は、犬、猫の開腹手術とほぼ同じです。
卵巣と子宮部分で尿管を一緒に結紮しないように注意を払って縫合します。
●摘出子宮と内部変化
子宮は内部増殖と水腫変性により少し膨れ上がりっています。代表的な蓄膿症は、子宮内に沢山の膿が溜まるので、レントゲンで明らかにわかりますが、今回のケースでは超音波を駆使してじっくり見きわめることが必要です。
子宮の内部を見ると、血液の塊が散見され継続的な出血はこの子宮が原因であったことが分かります。内部の液体を塗抹し、無菌性子宮蓄膿症と診断しました。
●術後
覚醒直後の「幸」ちゃんです。寝起きの顔ですので平時はもっと美しく可愛いのです。ウサギの5歳と言えばかなり高齢なのです、良く頑張りましたね〜♪
翌日の様子は、野菜を少し食べ、少し遊んでいるそうです。
長生きしてね〜♪
関連タグ :
犬の膀胱結石 [News]
●大きな結石!
これは、決して「かじった椎茸」ではありません。膀胱から取り出した大きな結石なのです。以前、排尿の際にたまたま飛び出した結石を分析した結果、食事療法で溶解できるタイプと判断し早速食事を処方しました。しかし、一向に変化が無いので手術を行うことにしました。
●大量の結石
「出るわ出るわ!」無数の小さな結石を取り出すのに随分と時間を要しました。吸引器も使用したので、果して何個あったのでしょうか? 約1000個!??・・・・数えるのは断念しました。
再度、結石分析に出しました。結石の外側と内側で成分が異なることがあり、処方食に効果が無い場合には再度の検討が必要と感じたからです。
●膀胱内腫瘤
膀胱内を精査している際にポリープ状の腫瘤が見つかりました、結石を取り出す際に一緒に切除して病理検査へ提出することにしました。同時に見つかり検査へ提出できたことは、不幸中の幸いと言えます(後で分かれば、再度検査をする必要があるからです)。
ウサギの骨折 [News]
●ルル、7か月、♀、ミニウサギ
外に出すこともなく、飛び降りることもない環境だったそうですが、帰宅すると足を引きずっていたそうです。
早速、触診すると腫れが触知され骨折が疑われました、続いてレントゲン撮影を行うと後ろ足の中間部分である下腿骨の骨折が判明しました。
●手術
数日腫れが引くのを待ち、手術を行うことになりました。兎(げっ歯類)の場合は、犬猫と異なり一般的に気管チューブを挿管(内視鏡を利用してできないことはないが)を行わずに麻酔を維持するため、犬、猫と同等に安定して管理しにくいのが難点です。そうも言ってられないので、鎮静、鎮痛剤のコンビネーションを注射し、セボフルレン(吸入麻酔薬)で維持しました。
兎の骨はもろく割れやすいので、プレート固定、あるいは創外固定ではなく骨髄内にピンを入れます。亀裂骨折を起こしていたため骨を合わせる際にはその部分が欠け、多少ギャップが生じたことが残念でした。
●術後
吸入麻酔を止めたら速やかに覚醒がありました。縫合創をかじってしまうのを予防するため、やはりカラーは必要になります。
ルルちゃんお疲れ様でした。暫く安静をお願いします。