実習生感想文 [実習生感想文]
先日3日間実習させて頂き誠にありがとうございました。
実習中には飼い主からされる質問を的確に答え、治療の重要性を熱心に分かりやすく説明されており、とても勉強になりました。特に針治療や理学療法とオゾン療法を初めて実際の現場で見ることができ、印象に残りました。
また、エコー検査などの際に動物を保定させてもらい、ご指導頂きありがとうございました。そして、看護師さんのレベルがとても高く、私は、獣医師との話を聞いていて分からない部分がたくさんあり、勉強不足であることを自覚しました。
今回の実習を元に、専門的な知識を深め、次に活かせるように頑張って行きます。
看護師さんや獣医の先生方にはお忙しい中にも関わらず実習させて頂き誠にありがとうございました。
倉敷芸術科学大学 生命科学部 生命動物学科 3年 渡部智大
猫の口腔内疾患 その2 [院長ブログ]
●トム ♂ 14歳 Mix
「顔が著しく腫れて右目から赤い目やにが出る!」主訴で来院されました。麻酔下で咬傷、口腔内の検査を詳細に行うことにしました。
●口腔内検査
右上顎犬歯の歯肉部分が赤く、軽度の腫脹みられ、圧迫することで歯肉から血膿が染み出すことが分かりました。
●レントゲン撮影
プローブで歯肉のポケットを検査しても正常でしたので、根尖部観察のためにレントゲン撮影を行うことにしました
●ドレイン装着
レントゲン撮影では、根尖部は綺麗で膿瘍形成時の黒抜け像もありませんでした。そこで、歯肉を剥がして軟部組織の検査を行いました。擦ると広い眼下部にスペースがあり、その部位を洗浄すると下眼瞼の結膜から洗浄液が排出され穴が発見されました。
●結論
今回の症状は、歯の問題ではなく、咬傷あるいは外傷により眼窩部が感染を起こしたようです。
前回の「猫の口腔疾患その1」では、犬歯の根尖部膿瘍でした。今回のその2では、外観は類似所見でも、原因がまったく異なっていました。検査、レントゲン撮影を行うことなく安易に抜歯してしまっては、大切な歯を失うことになります。麻酔下で詳細な検査を実施する意味ここにあります。
猫の口腔内疾患 その1 [院長ブログ]
●口腔内疾患
猫の代表的な口腔内疾患は、口内炎です。
今回の主訴は「食べたいけれども食べれない、食べると口を痛がる仕草をする」でした。口腔内の詳細を検査したくとも口を開けることにひどく抵抗するため、検査と処置を含めて麻酔をかけさせていただくことにしました。
●歯肉腫脹
主訴と抵抗感から口内炎と予想をしていましたが、口内炎、口峡炎共に存在しませんでした。歳の割に歯石もほとんどなく綺麗で歯の動揺も見られませんでした。
しかし、右の上顎犬歯部における軽度の腫脹と歯肉の一部の凹みが観察されました。
そこで、レントゲン写真を撮影をしてみると.....。
歯槽骨が溶解し、歪な象牙質、黒いスペースが見えました。
この写真から膿瘍と歯肉縁下の歯石堆積を疑いました。
●抜歯および処置
抜歯した犬歯です。
外に出ている部分には、ほとんど歯石がみられないのですが、歯肉縁下には多量の歯石と膿が付着、堆積していました。歯肉を切開剥離し、歯槽骨の一部を切削し、洗浄を繰り返しました。膿が著しいため、縫合は時期をずらすことにしました。
●その他の疾患
口が痛くて長期に渡り食べれず痩せているのかと思いきや、食べれなくなったのはつい最近のことだそうです。怒りっぽい性格と著しい削痩状況から甲状腺ホルモンの測定をお勧めしました。予想通り甲状腺ホルモンレベルが高く、甲状腺機能亢進症と診断できましたが、治療用の食事は好きではなく、また薬も飲まされない状況では、せっかく診断が下っても悩ましい問題が残ります。








