犬の大静脈症候群 [院長ブログ]
●コロ 柴犬 16歳 ♂
年末に入り、飼い主さんが、愛犬の
調子が悪いことに気が付いたのが7日前だったそうです。主訴は「食欲なし、動かない、下痢」でした。急ぎ検査を行うと、貧血、黄疸、肝不全、腎不全の結果が検出されました。聴診では、特徴的な雑音があり、超音波検査でフィラリア(犬糸状虫)の虫体を確認しました。
●超音波検査
沢山の虫が心房と心室間を行き来しています。これで間違いなく、三尖弁(右側の心臓の弁)に虫が絡んでいることが分かりました。
●摘出虫体
まずは、点滴を行い。その日の夕方に手術を行い、摘出虫体はご覧の通り22匹でした。悪い条件(腎、肝不全、貧血、16歳)の中、麻酔をコントロールすることが大変でしたが、短時間の内に手術が終了し、身体にかかるストレスを最小限に抑えれたことが何よりでした。
●術後看護
フィラリア虫体閉塞による急性腎不全、肝不全は、術後6日目で50%回復しました。時間経過と共に貧血も改善すると予測されます。「2月に可愛がっていた娘さんにどうしても会わせたい!」との希望があり何とかお力になれればとの思いでした。これで肩の荷が下りた気分です。来年から予防を欠かさず、20歳を目標に頑張って欲しいと思います。
下は摘出後の超音波所見です。
●予防薬投与が大切
人間が作り出す薬には、多かれ少なかれ副作用が発生します。当院の方針は、出来るだけ薬は使用しないこと、使用した際には、出来る限り短期間であることを原則にしています。当然犬糸状虫の予防薬にも毒性はありますが、虫体が寄生することを鑑みると、予防が優先されます。
決意を新たに! [院長ブログ]
犬の心不全と肺腫瘍 [飼い主さん感想文]
我が家の女王様ことミーちゃんは、18歳と5ヶ月のシーズー犬です。これまで、大分、長野県と色々な土地で生活してきました。8年前に故郷の広島へ帰って来てからも、大好きなドライブにお散歩と元気に過ごしてきましたが、目が見えにくくなり、健康状態と食事が心配で、体調管理指導も兼ねて動物病院を探していたところ、知人の紹介で石崎動物病院にお世話になることにしました。食事に関して驚いたのは、先生のお勧めは、なんとオオカミ食でした。つまり、遺伝子に即した体に負担が無く、体が喜ぶ食事を戴くという事でした。
当初は、もっぱら健康診断と食事の相談をしていたのですが、4年前に咳の兆候があり、診察を受けると、心不全と肺に腫瘍があることが分かりました。手術をするには高齢でリスクを伴うため断念しました。
子供の様に可愛がり、共に生活してきたミーちゃんです、寿命があるのは、頭では理解し、覚悟しているつもりでしたが、すがるような目で私を見るミーちゃんの姿を見ていたら涙が止まりませんでした。
手術以外に方法が無いのか悩んでいた私に、先生から振動療法を薦められました。治療は週に1回1時間程度で、数か月が過ぎた時点の検査では、心臓と肺の腫瘍がやや小さくなっており、残しがちだった食事は完食、散歩中引きずりがちだった足は改善し、近所の人に「最近調子よくなったみたい、眼が生き生きしてきたね!?」と言われます。これも治療のおかげではないでしょうか?
あの時の先生の言葉を信じて、治療をお願いして本当に良かったと思います。何より振動療法は、副作用が全くないのが安心です。石崎先生には「感謝の気持ちでいっぱいです。これからもこの治療を続けていきたいと思っています!」
どうぞよろしくお願いします。
石崎先生に感謝 飼い主より




