犬の耳端部僅かな損傷 [院長ブログ]
●イタリアングレーハウンド 2歳 ♀
先日、腹腔鏡下で避妊手術を行いましたが、今回は「5日前から、耳の端が切れて血が止まらない」主訴で来院されました。
●耳端からの出血
小さな損傷ですが、一旦止血されても、頭を振り患部をぶつけることで再び出血が始まります。
飼い主さんが応急処置でバンドエードを装着されました。しかし、先端部を強く保護してやらないと、耳先をぶつけて再び出血が始まります。大量出血ではありませんが、長期継続すれば貧血も発生します。できるだけ早く止血しなければなりません。
●処置、治療
先日の血液検査では異常はありませんでしたが、念のために血液を止める役割を果たす血小板数と血液凝固因子の異常を探る検査(PT.APPT,Fib)を再測定しました。結果は、血小板、凝固系共に正常、また身体検査での出血傾向もないため、先端部の止血と耳の固定を行いました。
犬のアレルギー性皮膚疾患 [院長ブログ]
●レオ ♂ 5歳 チワワ
通年で薬を飲む西洋医学に不安を持ち、一生薬漬けになるのが怖くなり、東洋医学的(代替療法)アプローチを希望して来院されました。
当方の東洋医学的アプローチでは、鍼、漢方、振動、ハーブ、フラワーバッチ、オゾン療法などを行っていますが、飼い主さんとの話し合いの結果、振動療法で治療を進めることにしました。
先ずは、稟告と身体検査に十分な時間をかけてじっくりと観察しました。次は、特に大切な環境の聞き取り(食事、おやつ、水、油、電磁波、性格、ストレスなど)についてさらに詳しく行います。初診では、通常1時間〜2時間の時間を要します。
●背部の膿皮症
●脇の慢性炎症
●四端の慢性炎症
●2週間後の背部
●2週間後の脇
●2週間後の四端
●西洋医学と代替療法
振動療法には、副作用は有りませんが、改善に時間を要します。今回は、振動療法と短期間の漢方薬の処方と漢方シャンプー療法を併用しました。西洋医学におけるアレルギー診断は、発症年齢、犬種、食事、血清学的アレルギー検査を用いて診断を進めます、通常は主力薬としてステロイドが使用され徐々に漸減していく処方です。
合成ステロイドは、ご存じの通り、実は天使の顔をした悪魔と呼ぶにふさわしい薬剤です。一旦は炎症を抑えますが、組織に沈着し活性酸素を発生し炎症の再燃が起こります。また、腸内細菌にも悪影響を与え免疫を低下させます。よって、徐々に漸減しながらコントロールすることになりますが、まず中止することはできません、そして、使わないに越したことはありません。
我々の思いは、副作用の無い治療を行い、動物と立場を同じとし、自らが望む治療を提案、提供しなければならないと信じています。もちろん、飼い主さんとメリット、デメリットを話し合いながら、西洋医学的治療を望まれれば、できるだけ副作用の少ない方法でコントロールする提案を行っています。
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食物アレルギーによる犬の上強膜炎 [院長ブログ]
●パグ ♀ 小梅 6歳
「眼が赤いのが気になる」と来院されました。
眼を観察すると右外眼角(目じり)に結膜の充血とその下の強膜の腫脹が観察されました。
●反対側の正常眼
反対の正常な左目と比較するとよく分かります。
診断は、各種検査後に自己免疫疾患と仮診断し、短期ステロイドを処方すると効果が見られました、ステロイドの毒性をお話して、優しい治療(漢方、サプリ、振動)に変更することにしました。
*自己免疫疾患とは?
生体防御機構の自分の免疫が自己の組織を突然に敵とみなして攻撃してしまう状態です。(免疫の暴走化)
●3週間後
充血が8割治まり、強膜の腫脹はありません。
副作用を考慮すると治療に時間を要しますが、ご理解いただきながらやんわりと優しく進めていく予定です。
●原因とその後の治療
この目の炎症は、実は食物アレルギーでした。西洋医学の欠点は、症状を抑えることを目的としています、故に薬を中止すると再発してしまい、根本原因を追究するに至りません。また、時には症状を抑制する薬の副作用で別の炎症症状が発生してしまう危険もあります。今回は、量子診断により食物アレルギーと仮診断し、2、3の蛋白質を試験したところ処方食1種類がヒットし、その食事を戴くことで炎症症状がおさまり、点眼も必要が無くなりました。













