広島県呉市「石崎動物病院」

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2010年12月24日(金)

前十字靱帯断裂と膝蓋骨内方脱臼 [News]

●ジョン 9歳 ヨークシャテリア

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原因不明だが、「帰宅してみると足を着かなくなっていた」との主訴で広島から来院されました。鎮静をかけて検査をすると、前十字靱帯断裂が発見されました。

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●十字靱帯断裂
膝を切開している所です。ピンセットの下に小さく見える白い2つの点が断裂した前十字靱帯です。関節周囲に骨の増殖が見られ変形性の関節炎の存在が分ります。その異常増殖した骨をけずりとり、そして、断裂した靱帯組織を切除して洗浄を繰り返しました。

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●十字靱帯整復
膝の前方移動を抑制するために、膝の骨に穴を開け、小さな骨の下を通して固定します。この固定により前方への引き出す動きが無くなり安定します。

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●膝蓋骨内側脱臼
膝蓋骨とは、膝のお皿のことです。この膝蓋骨が先天的に内側に外れる状態を伴っていましたので、この際一緒に治すことにしました。膝蓋骨を受ける側の大腿骨の溝が浅かったので一旦軟骨を削り取り、溝を形成して再び戻しました。2番目の写真と比較すると、その溝が深くなっているのが分ります。飼い主さんの話によると、頻繁に脱臼して、その際には薬を飲んだら治っていたそうですが、この病気は手術をしなければ治りません。そして、薬を飲まなくとも自然に元の位置にもどるのです。小型犬では、先天的に内側脱臼を起こしているケースは山ほど居ます。しかし、日常生活に支障をきたす場合は多くありません。重症度により手術が必要な場合があります。

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●膝蓋骨内方脱臼整復
膝蓋骨靱帯とその付着する脛骨との軸のずれはありませんでした。補強処置として、膝の関節包の外側を重ね縫いして内側へのずれをさらに抑制しました。

●術後
術後7日目ぐらいから徐々に足先を着くようになりました。今回は、膝の内側脱臼も整復しましたので、術後かなり腫れがありました。自宅には他に2匹の仲間が待ち受けていますので、入院を少し長めにしていただきました。安静はさらに続き(8週間)ますが、大型犬ほどの厳重管理にはなりませんが、無理は禁物です。


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20時06分


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