広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

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犬の非心源性肺水腫 [News]

●シーズー 3ヶ月  ♀  トミー
1月2日、お正月真っ只中、10時頃。「最近、咬みつきが酷くなり、躾として口を持って押さえつけたんです」と優しそうなご主人から緊急に電話が入りました。直ぐに来ていただくと、それはそれは優しいご主人が心配そうにトミーを抱えてやってこられました。3カ月は、元気溢れる年齢です。しかし、大人しく打ち沈んだ感じが見られます。急ぎ身体検査を行うと、ヨダレ、口腔粘膜の蒼白、脈圧が弱く感じます。努力呼吸はありますが、肺での捻髪音は聞こえません。
鑑別診断のために、レントゲン、心電図、超音波、血液検査を行いました。

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●要因
稟告と超音波検査(逆流なし)で心因性肺水腫を除外し、非心源性肺水腫をリストアップしました。リストは@神経原生A電気コードをかじるB上部気道閉塞が挙げられました。今回のお話から、押さえつけられることによる気道閉塞と怖かったのでしょうか、カテコールアミンの放出により全身血管が収縮し、肺循環へ血液が一気に流れ込んだ影響で過負荷が起こり肺水腫が発生したと考えました。

●肺水腫(レントゲン写真)
肺は空気を含むのでレントゲン上では黒く映ります。肺に水が溜まれば白く変化し、さらに気管支が浮き出る像(エアーブロンコグラム)が特徴的所見です。

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●治療
レントゲン写真と臨床症状から利尿剤の血管内注射を行いました。血圧低下もあることから併せて強心剤を併用しました。20分すると利尿剤の効果で尿が大量に排出されました。さらに10分後には、苦しい呼吸困難から解放され、鳴きながらチョロチョロ動くまでに回復しました。
念のために夕方まで預って帰宅する予定です。

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●反省
過去の経験では、非心源性肺水腫は電気コードをかじった例しか経験がありませんでした。今回、優しく真面目なお父さんが、躾の為に行った行為でしたが、普段が優しいのでよほど怖かったのでしょうか?動物の性格に合わせた適度の躾が必要であることを学びました。


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猫の水晶体(レンズ)脱臼 [News]

●くーち ♂ クロ猫 13歳
「目が見えていない気がする」と来院されました。ペンライトで観察すると前房内にレンズがずれて位置していることが分かりました。レンズの前方脱臼です。反対側も以前に脱臼していることから、レンズを釣り上げているチンシ帯の形成不全、小水晶体などの先天的異常が考えらえます。眼圧は低め(5〜8mmHG )で軽度の炎症があります。隅角(炎症で排水溝が詰まる)が閉鎖されると2次的に緑内障が発生するため、速やかに手術をすることを決めました。

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●摘出レンズと予後
角膜を切開し、前房内のレンズを取り出しました。
術後の眼圧は11〜13mmhgと安定して、炎症もほとんどなく視力も回復しています。この度は、気付くのが早く2次性緑内障になる前に手術ができたことが幸運でした。

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●術後
視力(右眼)も回復し、玉を取れるようになりました。
めでたし、めでたし。

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我が子はすっかり元気になりました! [飼い主さん感想文]

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●コーギー ♂ 9歳
我が家に迎えてすぐから、身体が弱かったうちの子は、5歳まで別の病院へ通っていましたが、耳が真っ赤になったり、ただれたり、全身を痒がったりし、色々なアレルギーを抑える薬を処方されの繰り返しで、耳に関しては耳ダニといわれ、ダニを駆除する薬を耳に付け続け・・・しかし、改善はなく。
全てに関してアレルギーだと診断されて不信感を覚え、その時の症状からネットで検索して、セカンドオピニオンとして石崎動物病院に通わせてもらって今年で4年になります。

自宅から高速を走り往復3時間は大変ですが、とても感じの良い先生や看護婦さん、スタッフさん達で、うちの子もリラックスして嫌がることもなく診てもらうと、アレルギーはありましたが、その影響でカビが耳にわいていたようで、治療をしてもらった今は完治に近い状態で良好です。

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1年程前になりますが、突然一時的に後足が動きにくくなる症状がでました。痛がることもなく腰が抜けた様な歩き方をしていたので、直ぐに診察をして頂いたところ、DM(変性生脊髄症)の可能性があると診断され、その頃病院では振動治療を始めるという頃でしたので、その治療をお願いしました。

私たち家族で出来る限り通おうということで覚悟を決め週に1度から始まり、2週間に1度、3週間に1度、今では月に1度でいい状態に回復しました。

大学病院で調べてもらったわけではないのでDMというのは可能性でしかありませんが、極度に疲れたりした時以外はその症状が見られることはなく、そして進行することもなく、現在は、年齢的な疲れは見えますが、元気いっぱいで体調もすこぶる良好です。

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