広島県呉市「石崎動物病院」

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猫の熱射病 [News]

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随分と落ち着いてきました

●熱射病
熱射病は、主に犬を中心に発生します。日中の熱い中を散歩したり、熱い室内、車内に放置したり、海へ連れていったりすることで体温が上昇し、しばしば死にいたる病気です。

●お盆中の出来事
カイル、メインクーン♂
ケージに入れて玄関先に放置していたら、口を開けて「ハアハア」する状態。体を触るとやけにあついので、あわててご連絡いただきました。この度は、発見が早く体温は、40.5度。早速、水に濡らしたタオルで包みこみ、少し冷やした点滴を始めました。ここでの重要ポイントは、体温を下げてやることです。しかし、決して冷やし過ぎないことが大切です。余りに冷たい対応をすると血管が収縮してかえって体温が下がらなくなり、また、心臓にも負荷がかかってしまうからです。

●1時間後
約1時間で正常体温に戻ったので、タオルと点滴を外しました。そして、夕方まで点滴を続けました。飼い主さんは、名古屋から帰省中でした。今回は、初期段階で連絡いただけたので、大事にいたらずに済みました。

これを教訓に、毛皮を脱げない、汗をかけない彼らにさらなるご注意をお願いします。


 


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1隻のフィラリア虫体の影響 [News]

●フィラリア症
フィラリアとは蚊が媒介する寄生虫の事です。フィラリアの成虫は、犬の肺動脈へ寄生します。そのフィラリアが移動して右側の心臓の弁につまることを大静脈症候群と呼びます。突然血液が壊れ出し急速に症状が悪化します。時間経過とともに救命率が低下します。下は、フィラリアの成虫数匹です。メスが約20cmオスはその半分以下のサイズです。

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●ナオ ラブラドル 15歳メス
平成17年の検査でフィラリア陽性でした。その後予防をお勧めしていたのですが、飼い主さんが船乗りの為、家をほとんど留守にするため予防を忘れられていたようです。
この度、食欲、元気が無いと来院されました。フィラリアの急性症状である心雑音・溶血・黄疸は見られません。しかし、フィラリア未予防、貧血と軽度の腹水より、フィラリア症を疑ってまずは、超音波検査を行うことにしました。幸い、おとなしい子でしたので、じっくりと時間をかけて、超音波ビームの角度を微妙に変えて映像を見ると「いたどー!」一隻(一匹とは言わない)のフィラリアと思われる小さな点を発見しました!

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●腹水
軽度の腹水の存在がありました。
フィラアは肺動脈に寄生します。その結果、心臓からの逆圧が肝臓にかかり、その障害により腹水が溜まります。腹水が溜まりだすと、かなり慢性で重度です。フィラリア寄生による影響かどうか検討が必要です。

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●手術
フィラリアの急性閉塞時の救命処置は、頚静脈から心臓に向けて長い鉗子を挿入し虫を摘出することです。時間経過とともに症状が進みますので、一刻の有余もありません。ということで、緊急手術に入りました。手術時間は、通常15分程度で終わる手術ですが、今回は、虫一隻にてこずり約30分要しました。

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左は大きさを示す綿棒

●術後
術後翌日から食欲が出ました。しかし、十分とはいえません。術後10日目には、食欲も増加し、腹水も減ってきました。退院後の姿は、別人のように15歳とは思えないはしゃぎぷりです。せっかく助かった命です。油断をせずに、これからは予防を心がけて、さらに長生きしましょう!

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帝王切開 [News]

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●帝王切開
チワワ ココ 7歳 初産。人間で云う、高齢出産になります。市内の先生が出張のため、依頼を受けました。予想通り難産?の電話が入ってきました。
尿膜が出たまま陣痛が止まり生むつもりがなさそうです。超音波で子供の状況を確認しながら、できるだけ自然分娩を心がけてい戴くために、いったん帰宅いただきましたが、いよいよ決断に迫られ、帝王切開を踏み切りました。

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●無事救出
既に産道から尿膜が飛び出ている子供と他の2匹が元気なことを確認し、麻酔に入りました。できるだけ子供に麻酔の影響が無いように、少ない麻酔薬と筋弛緩剤と人工呼吸器を使用します。この度は、親の麻酔のかかりが悪かったため、子供に麻酔の影響が出てしまいました。本来ならば、取り出した瞬間に大きな声で鳴くところが、3匹ともぐっすり眠り、血色も悪く心配されました。しばらく、胎盤を剥離せずに、親とつないだまま覚醒を進め、血色と動きが良くなった時点で臍の尾を切断しました。

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●初乳
出産後24時間の乳は、親からの免疫を授かるために大切な送り物がつまっています。ですから、健康な生活を送るために初乳はでき限り飲まなければならないのです。

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●3日後
3日後に術後の検診に来てもらいましたが、母子ともにとても元気でした。当日は、子供を毛嫌いしていた母親も、今では、一時も離れず、献身的に世話する姿に逞しさを抱きました。みんな幸せにな〜れ。


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