広島県呉市「石崎動物病院」

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猫の永久気管開口術 [News]

●あいバーちゃん 17歳 ♀
「1か月ほど前から呼吸状態が悪い」と他の先生よりご紹介いただきました。食欲はあるのですが、明らかに異常がある呼吸様式です。喉頭部を聴診すると捻髪音が聞かれました。手術も考慮して、精密検査のためにお預かりすることにしました。

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●喉頭部内視鏡
一見、異常がないような喉頭(のど)ですが、よく見ると片側の喉頭蓋(喉の入り口)が腫脹し、腫瘤病変が見つかりました。続いて内視鏡で喉頭の詳細を見ることにしました。

下は、気管の入り口の蓋(喉頭蓋)の部分です。
左側に丸く膨らんだ腫瘤が見えます。
ここでカメラを止めて観察すると、蓋が吸気時にほとんど開けなくなっていることが分かりました。⇒だから呼吸様式がおかしかったのです。

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上記の写真から少し気管内に入ったところです。
左側に連続した腫瘤塊が見えます。

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●永久気管開口術
飼い主さんの思いは、「この苦しいそうな呼吸をなんとかしてやりたい」でした。喉頭蓋の腫瘍の処置より先に、呼吸を確保しておかなければなりません。よって、まずは気道を確保する手術をおこないました。

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●術後2日目
開放した部分を1日4-5回クリーニングしなければなりませんが、7日もすれば1日数回の処置になります。

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●術後10日目
努力呼吸は正常に復し、食欲旺盛で安定しました。
喉頭における腫瘍は、飼い主さんの希望、あいバーちゃんの年齢を加味して切除するかどうかを検討していきたいと思います。まずは、呼吸確保成功せり。

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今後、喉の検査を行い腫瘍(リンパ腫?)か腫瘍(脂肪腫?)でないかを判断して治療を始める予定です。

●後日の細胞診
永久気管形成術が落ち着きましたので、再び麻酔をかけて細胞診を行いました。結果は、上皮系の腫瘍が疑われました。

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●術後20日目
皮膚の形成を加えて7日後の写真です。
喉頭部分は、手術はしないことにしました。
食欲元気共に安定しています。

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鹿児島県 妙見温泉 [院長コラム]

●おりはし旅館
入湯料は、内湯300円、露天は500円。開放感を求めて露天を選びました。綺麗に整備された自然木と竹林に囲まれた庭の中に露天小屋がありました。ここ「おりはし旅館」は、妙見温泉でもっとも歴史のある宿で、7万坪もの敷地があるのだそうです。

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●露天
扉を開けた途端に目に入った露天風呂には、落ち着く雰囲気がありました。周りを緑に囲まれ、湯の温度は39度、ゆっくり過ごすには最適な条件です。温度は39度、島根県の三瓶温泉、三瓶荘、鶴の湯に似た温泉でした。あえて注文をすれば、露天と言えども、湯船の周囲は板張りで構成してもらえれば、誠にゆったりとくつろげると思うのです。

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●湯の花の結晶
色々と湯船にこびり付く結晶を見るていますが、茶色く盛り上がった析出物それぞれに見事に小さな真っ白な花が咲いているのを見たのは初めてでした。今回は、時間が無くゆっくりとできませんでしたが、宿泊して心行くまで味わいたいと思いました。

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●最も古い宿
創業明治12年、西南戦争の際に傷を負った島津家家臣、久木田五介が治療のために逗留したのが始まりだったそうです。
その由緒ある「キズ湯」は宿泊者のみに解放されているようでした。

泉質 ★★☆ 炭酸水素塩泉
接客 立ち寄りのため不明
料理 立ち寄りのため不明
効能 神経痛、皮膚病、キズ、打ち身

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猫の伝染性腹膜炎(FIP)「完治を目指して!」 [News]

●メイ 8ヶ月 雑種
「時々吐いたり下痢をする主訴」で来院されました。
身体検査では、発熱(39.5度)、削痩、お腹の塊が見つかりました。
お腹の塊は超音波検査を行うと明らかに腫瘍らしき像を認めました。嘔吐の原因は、この腫瘤による閉塞と考え、早速に切除手術を行うことにしました。

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●超音波所見
膀胱の前方に塊状病変が見つかりました。

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●回盲腸部における腫瘤病変
拡張した回盲部に腫瘤病変と腫大したリンパ節です。
残念ながら大きく腫大した腸間膜リンパ節を除去することはできませんでした。

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病理検査所見との免疫染色により猫伝染性腹膜炎による腫瘤と診断されました。

*猫伝染性腹膜炎(FIP)とは?
猫コロナウイルスに感染した一部の猫が発症する病気です。病気のタイプは2つあり、@ウエットタイプ:多発性漿膜炎、血管炎を起こす Aドライタイプ:各臓器における肉芽腫性病変を起こす。

臨床症状は、ウエットタイプでは、腹水によりお腹が膨らみ、胸水により呼吸困難が見られる。ドライタイプでは、脳・脊髄に炎症が起こり、神経症状(麻痺や痙攣、行動異常)が見られます。眼におけるぶどう膜炎や脈絡網膜炎などを起こすこともあります。致死的な病気で、有効な治療はないと言われ、我々の経験でも救命したことはありません。

●治療(朗報!)
術後、直ぐに嘔吐と下痢が止まり食欲も出てきました。飼い主さんの考えは、FIPは難治性の疾患故に切除手術だけで今後は治療を行わない方針を示されました。
しかし、術後3週間から腹水がみられ、再び食欲がなくなってしまい、話し合いの結果、方針を変更して治療を始めることにしました。
週一回のオゾン療法と免疫注射を行うこと1か月、術後に発生した腹水、再発が見られた腹腔内塊状病変と腫大したリンパ節が消失し、体重も増加してすっかり元気になりました。

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飼い主さんはもちろんのこと、我々も凄く嬉しい朗報です、このまま維持、そして、完治することを願っています。


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